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星野源に恋した話

星野源が好きだ。
星野源が好きだ。
星野源が大好きだ。

私が星野源を好きになったのは大学1年生の終わり頃だった。その頃はもう大学を中退すると決まっていたので自暴自棄になり、あまり大学に行けていなかった。でもその時たまたま遊んだ大学の友人から借りた「蘇える変態」を読んだこと、これが星野源を好きになるきっかけだった。
今思えば、その友人は私を心配して私を映画に誘ってくれたのかなとわかる。ありがとう友人。そしてその友人は星野源のファンだった。

友人と「この世界の片隅に」と「映画ドラえもん のび太と南極カチカチ大冒険」の2本の映画を観たあと、街のパン屋に寄ってパンを買ったりコンビニで蜜がけラスクを買ったりして、私の家に到着した。そこで友人は星野源のファンなのだと知る。いや、知ってはいたけどたまに音楽聴くくらいだと思っていたので、彼女がかなりのファンということをその時まで知らなかった。

家に着いた友人は一冊の本を取り出した。

これが「蘇える変態」だった。

その本は星野源によるエッセイで、ちょうど彼が脳梗塞になったあたりの出来事が書かれている本だった。

ちょうど同じ学科の同期内で恋ダンスが流行っていたことや、父が「恋」のシングルをなぜか購入していたこともあり、星野源に興味を持っていた私はその本を借りて読むことにした。


読んだらもう、止まらなかった。
まず元々オタク気質な私は、星野源について調べまくった。誕生日や年齢、どういう活動をしている人なのか。そこで歌以外に俳優もやっていることを見つけた。そういえば、恋ダンスって逃げ恥(ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」)の主題歌だったな…星野源ってそのドラマに出ていたな…。
当時、家から徒歩数分のところにレンタルDVD店があった。いてもたってもいられなくなった私はすぐに逃げ恥を借りてきた。そして見た。
逃げ恥は、簡単に言うと「さえなくてモテないSEの平匡が、色々あり仕事を失ったみくりと偽の結婚生活を送る」という作品だ。
それを、見た。見たのだ。

星野源は俳優業において童貞っぽい垢抜けないキャラをすることが多い傾向にある。
そして私はそういうキャラ、もとい【顔】がタイプであり性癖なのであった。
だから、ハマらないわけがないのだ。2日で全てのDVDを借りて、見た。

「蘇える変態」の話に戻るが、その文中に、脳梗塞で入院している時、ナースが可愛かった(※マイルドな表現にしています)という内容があった。

童貞が…エロいことを考えている…。

私はまんまと恋に落ちた。

しかもガチ恋である。ガチ恋状態であったからこそ、人なりを調べたし、逃げ恥を二日間で見た。

逃げ恥の平匡はピュアであるから、星野源が持つ変態的要素は皆無なのだけど、見た目が良かった。すごく好きだった。
私は眼鏡フェチでもあった。

星野源自体、たまに眼鏡をかけることがある。役としてもファッションとしてもかけているのだが、私が彼に一番似合うと思っている眼鏡は丸眼鏡だ。
丸眼鏡といえば、源はPop Virusで丸フチのサングラスをかけている。あれはすごく良かった。良すぎて、源と同じ物を着用したいと思い、なぜかパーカーを買った。なぜサングラスにしなかったのかは自分でもよくわからない。でも、同じパーカーを買った。特定してまで。アクネストゥディオスのピンクのパーカー。田舎の社会人には高かった。でも買った。
そしてそれはライブに着ていくことにした。

私が星野源の彼女を自称して(これはネタですが、半分ネタとは思っていなかった)周りに馴染んできた頃、全国ツアーがあった。
絶対観に行くぞ!とe+の申し込み画面を力強く押した。

東京ドームのライブが当たった。

田舎に住んでいるため東京には数回行ったきりで、ましてやライブも行ったことがなかったため、初めてのライブ参戦&東京ドームだった。
そのライブ「Pop  Virus」にピンクのパーカーを着て行った。MVで着てたならライブでも着てくれるのでは、と一抹の期待を込めて。

結果、源は赤い無地のパーカーを着ていた。

予想には失敗したが、ライブはすごく楽しかった。すごくすごく、本当にすごく楽しかった。席が悪くて源は豆粒ほどにしか見えなかったけれど、ステージに出てきた瞬間泣いた。横のお姉さんも泣いてた。推しって現実に存在するんだな…と思った。
実はライブ中の記憶はほとんどない。ノリノリで曲を聴いていたことと、横のお姉さんが「源さーん!」と呼んでいたことは覚えている。多分、推しに会えた感動が極まってしまって脳が処理しきれなかったのだ。ライブ映像は手元にもYouTubeにもあるのでたまに見返している。でも記憶は蘇らない。でも源が楽しそうに歌っている、それだけで私は幸せだった。

同担拒否が強まったのもその頃からだったと思う。
隣のお姉さんが源を呼んでいるのを見て、すごく嫉妬した。私は大声を出すのが苦手で、ライブでは名前を呼べなかった。悔やまれる。私が彼女なのに。(※彼女ではありません)
源のイラストを描いている人、源ライブに行った人、源のラジオの感想を書いている人、源の話をする人、みんなみんな悪くないのに、私は嫌悪感を持ってしまう。不可能だとはわかっていても、私が源の一番だと思っていたから。
だからグッズも買ったし本も買ったしCDも買った。自分の財力でやれることは全部した。ビオレのCMで源がつけていたタイメックスのトリコロールカラーの腕時計も買った。これはライブにもつけて行った。
私が星野源の彼女であり、私が星野源を世界一愛していると思っていた。思っていたんだ。
(※彼女ではありません)


2021年5月19日。
それは、突然だった。

星野源が新垣結衣と結婚発表をした。


今でも忘れない、あれは新しい職場に初めて行った日。朝礼での自己紹介で「星野源が好きです!」と言った日。
休憩をしようとバックヤードに戻り、Twitterを見た。見なきゃよかった。
画面には
【速報】星野源・新垣結衣結婚発表
の文字。
一瞬何が書いてあるか読めなかった。いや、読みたくなくて脳がシャットアウトしたのかもしれない。

源が、結婚した。

源が結婚した。源が結婚した。源が結婚した。源が結婚した。源が、結婚、した…?

ショックだった。嘘だと思いたかった。

でも、どのニュースを確認しても、星野源が新垣結衣と結婚発表したって、書いてあった。
なんで?いや、でも…。

ショックを受けすぎて、直後接客したお客さんに星野源が結婚したニュースを共有してしまうほどだった。
その日の仕事はまったく手につかなかった。
転職初日なのに。

それからしばらく、星野源の曲が聴けなくなり、姿も見られなくなった。
彼らは逃げ恥のスペシャル番組で意気投合し、付き合って、結婚しただけ。
新垣結衣に対しては敵対心はない。というか、新垣結衣には勝てない。無理なのだ、新垣結衣だから。
芸能人がドラマの共演者と結婚することは多々ある。多々あるけど、私はこの事件をかなり引きずった。

2023年10月の今もまだ引きずっている。
テレ東が映らない田舎に戻ってきたり精神的に落ち込んでいたりして、タイミングが合わずまだ見られてなかった逃げ恥の冬のスペシャルは、永遠に見られなくなった。内容が、平匡(源)とみくり(新垣結衣)の間に子どもが生まれた話であるから。
同担拒否、同担拒否なんだ…。
結婚はめでたいことで、わたしも源には今後一生幸せに生きていてほしい。でも、ダメなんだ。私が彼女だったから、源が結婚してしまっては、恋すら許されないじゃないか。(※彼女ではありません)

今では時が経ち、ショックも少しずつ回復してきている。でも星野源と新垣結衣の名前が並んでいるとまだつらい。これ、いつまで続くんだろうか。

でも、本当に星野源のことが好きなのでファンをやめることはしない。
やっぱり、どんなことがあっても、好きだから。

大学に行けず自暴自棄だった私に笑顔と恋心を与えてくれた源。細野晴臣の良さを教えてくれた源。スーツとサスペンダーの良さを教えてくれた源。コロナ禍も歌ってみんなを元気付けてくれた源。ラジオで下ネタを話す源。アジア大会のテーマソングを歌っている源。
全てが素敵で、全てに感謝している。

ありがとう星野源。
これからも応援してていいかな。
いや、応援しています!

あなたの人生に幸あれ!


追記: この記事を書き終わったあと、好きすぎて似顔絵も描きました(照れ)

星野源さんの似顔絵

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