私には悩みがある。痩せないことだ。
今年の春にインドネシアから日本に戻り早３ヶ月。体重に変化が見られない。何なら少し増えた。
私はこの３ヶ月、走ったり泳いだりといった一切のダイエット的行為を行ってこなかったので、これは当然の帰結と捉えることもできる。しかし、一つだけ声を大にして言いたいのは、昔はこれで痩せたのである。以前なら何もしないだけで体内のカロリーが空気中に放出されるが如く、身体は軽くなった。それが今や、何もしないことは何も起こらないことを意味するように変わってしまった。あまつさえ気を抜いて放っておけば、空気中のカロリーを取り込むかのように太ってしまう。この結果を認めることは残酷な時の経過による我が身の老いを認めることに等しいが、私は己の若さに賭け、今まさに負けようとしている。

インドネシアに在りし日、私は不本意ながら日々自身の最高体重を営々と更新していた。これは偏に、何を食べても微妙に多目なインドネシアの一人前の食事量と、そこにカロリー高めと言われるパーム油がふんだんに使われていることが原因と見ていた。今はただ、一時の飽食で許容外に体重を膨らましているだけで、日本に戻ればすぐ元に戻るという幻想に浸っていた。

残念ながらその幻想は鏡に映る、３ヶ月何も変化のない私の怠惰なボディが完膚なきまでに打ち砕き、私はいよいよ己の過ちを認めるところまで来ている。

身体からカロリーを放出する方法がない以上、ダイエットをせねばならない。その事実を認めねば。

#一歩踏みだした先に