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しあわせの一つは、仕事で感動できること

最近感動したお話です。

ある物件の調査をすることになった
その物件とはCADもないその昔、弊社が設計を担当した物件だった
私は調査に先立ち図面をPDF化すべく、大量の原図をスキャンしていた

すると原図ファイルの中に数枚、手描きのスケッチが入っていて、
それは抽象的でとてもきれいな線
形はハサミのようだけど
それがなんなのか、まるで見当はつかない

図面に一通り目を通した後も、
そのスケッチの正体を掴むことはできなかった

そして調査当日、部屋を回る中で、
思いがけずわたしはスケッチの正体を見つけた
感動と、喜びがじんわり広がった

スケッチの正体は、この手すり子

わたしが見つけたスケッチを描いたうちのひとりは
もうこの世にはいない
だけどその方は当時、その場にふさわしく美しい手すり子の造形を考え尽くした
そして私はその形跡を見つけ、これはなんだろう?と考えたから
実物を見たときに点と点がつながり感動することができた

考えるもの同士は繋がれる
と思った
建築ってまだこんなに面白くてステキなことがあったの?

「昔はお金があったから、細部までこだわり良いものをつくることができた」
とよく耳にするけれど

お金がなくたって
時間が限られていたって、
昔に比べて発達した技術も蓄積されてきた情報もある

技術が発達したからこそ
よく知らなくてもそれらしい図面が描けてしまい
簡単に済ませることができるようにもなったけれど
わたしはこだわりと責任を持ってデザインを続けていきたい

なんて未熟者もいいところでこんなに喋って暑苦しいのですが、
新年度ということで決意表明でした

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