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畏れ・その場に居続けられないー谷村美術館・村野藤吾ー

衝撃を受けた建築シリーズ最後!

2020年、谷村美術館を訪れました。
一緒に行こうと誘ってくれた人がどこかの本か雑誌で見つけてきた建築だったので
自発的に望んでいったわけではありませんでした。
が、
行ったらびっくりしちゃった!

どっしりとしたコンクリートで
粘土の塊のように重量を感じる外観とは裏腹に
中に入ると
雲の上、夢の中
のようなふわふわした気分に包まれる。

一方で展示物は神秘的で威厳があってものすごく怖かった。
長く直視できない。
心臓から全身の血管まで
内側から外側へ向かって感動が、畏れが、
ふるえよりも小さなものでじわじわと広がっていくような感覚。

居心地が悪い、というわけではないのだけど、
居心地のよさの対極にあるような、
とにかく展示作品と一体になった建築であって
人間のために作られた場所ではない感じ。

建築がここまで象に威厳を持たせ、
人間に畏れを抱かせる。
建築ってこんなこともできるんだ、
「快適」を作ることが全てのゴールじゃないんだ、

あの場を思い出すといまだに夢見心地になります。

あの日、天気は曇りでしたが
谷村美術館はきっと曇りが一番よく似合う

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