見出し画像

海外生活の記憶 米州2010’s 16 アリゾナ州

アリゾナ州は1912年にアラスカを除く北米大陸最後、48番目の州として合衆国に参加しました。もともとスペイン人が16世紀にアリゾナに足を踏み入れたのはフランシスコ会の牧師でインディアンを改宗させる目的だったようです。1848年にアメリカ領になった後もインディアンが多く住んでいて1860年当時の記録では人口6000人の内、白人は2000人、インディアンが4000人だったそうです。ちなみに今は人口640万人でそのうちインディアンは30万人、インディアンの数ではカリフォルニア、オクラホマに次いで3番目だそうです。

アリゾナと言えばグランドキャニオンかモニュメントバレーが一番の名所だと思っていましたが、ツアーでそれらの名所に行く前に連れて行ってもらったアンテロープキャニオンというところが凄かったです。ナバホ族の居留地にあり彼らの許可が必要で滞在時間は2時間までと制限がありますが、ただ洞穴に入るだけなのに中に入ると別世界が待っていました。

息を飲むほどの美しさで、写真撮りまくりです。ここにアップしたものの何倍も撮影しました。

光が当たってきれいなところ、影が素晴らしいところ、形が美しいところ、誰でも芸術写真が撮れます。

ここにはカメラ以外の荷物は持ち込み禁止です。

光が入る穴がところどころにあることでこの芸術が生まれるのですが、もちろん太陽は動くのでこの芸術も動き続けます。

アンテロープってアフリカにいる角とスタイルがきれいな牛の一種を意味するのですが、何故アンテロープ峡谷なのでしょうか。ラスベガスからも近いので是非ギャンブルのついでに行って見てください。

さていよいよモニュメントバレーに向かいます。

西部劇でおなじみの風景ですよね。本当に広いです。

スペイン人はアパッチ族などの地に平和キャンプを作り食料を供給することで共存する道を選びますが、メキシコが独立するとその余裕もなくなり、再びインディアンによる略奪・襲撃が始まりました。

1848年にアリゾナがアメリカに譲渡されるとすぐカリフォルニアで金鉱が発見されます。よく言われるフォーティーナイナーズ(49’s)と呼ばれる多くの白人が西部地区を訪れるようになり、アリゾナもその通り道として急に人口が増大します。

ただこの辺りには住まなかったと思います。何もないですから。インディアンが住んでいる州を比率で見るとニューメキシコが一番でサウスダコタ、オクラホマと続きアリゾナは6番目になります。人数も比率も多いオクラホマにはインディアン居留地があり強制的に移住させられたインディアンが多いそうです。

硬い岩の部分だけが長い浸食のあとも残ったことで色々な形を見せてくれます。

ナバホ族のインディアンがこんな店を出してお土産を売っていました。

ほとんどが砂漠ですが、うっすらと草が生えているところもあります。

モニュメントバレーをあとにしてグランドキャニオンに向かいます。

グランドキャニオンはコロラド川に沿って450キロくらい続く長くて大きい峡谷です。東京から米原くらいまでず〜っとこの峡谷が続いているって考えるとすごいです。幅も広いところは20キロ以上あり深さは大体1〜2キロの間です。

グランドキャニオンはアリゾナ州の最北部にあり州都フェニックスよりユタ州やネバダ州に近いところです。北部はほぼ高原地帯で今見ている場所は標高2000メートルくらいのところです。

グランドキャニオンには夕方に到着し、ここで一泊して翌朝、ご来光を拝みました。

ここを流れるコロラド川では4000万年前から浸食が始まったということですが、そう言われても余りピンとこないです。

ただただ大自然の凄さは伝わって来ます。

アリゾナ州の人口は640万人ですが、州都フェニックスのある州南部マリコパ郡だけで380万人と半分以上が集中しているので、アリゾナ州も人が住んでいる場所は限られているようです。

もともとの平原と浸食した箇所がよくわかります。地層もはっきり見えて地質学者にとっては楽しい場所なのかも知れません。

こんな荒原がいずれモニュメントバレーのような岩の形になって行くのでしょうか?

昔テレビドラマでやっていたルート66はシカゴからカリフォルニアのサンタモニカまで続く長い国道ですが、フェニックスに向かう途中でルート66を走りました。

とても明るいインディアンの夫婦が土産物屋をやっていてトイレも使わせてもらいました。

トイレもにぎやかです。

フェニックスに近づいて来たころ油田のリグのような塔が見えました。カリフォルニアとテキサスの産油地域に挟まれたアリゾナですが、余り油田は発見されなかったようで現在では生産も限定的です。

グランドキャニオンを作ったコロラド川のやや川下にニューディール政策で有名なフーバーダムがあります。フーバーダム自体はネバダ州ですが、この地域の豊富な電力により州都フェニックスには軍事産業や電気機械産業などが始まりモトローラの工場が出来るとIT産業も盛んになり、サンフランシスコの近くのシリコンバレーにあやかってシリコンデザート(砂漠)と呼ばれるようになりました。またゴルフではフェニックス・オープンが行われ、プロ野球のキャンプ地としてもメジャーリーグ球団の半分が使用するなど温暖な環境を利用した様々な誘致活動が実を結ぶ砂漠地帯で有数の都市になっています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?