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食前や目刺代わりのEPA

最近はとんと食べなくなった目刺しですが、歳時記を眺めていたら春の季語にありました。鰯と言えば秋が旬でちゃんと秋の季語に載っていますが、目に刺して干すと冬を通り越して、春の季語になるんですね。

鰯の目に串を刺すのが目刺しですが、魚のエラに刺すと頬刺(ほざし)と言うことをキゴサイで初めて知りました。もともと千葉方面でカタクチイワシを三匹、目に串刺して丸干したものが目刺しの始まりだそうで、九州地方では真鰯や潤目鰯を使い四匹繋げて頬に刺したのが「頬ざし」だったそうです。それがいつの間にかみんなまとめて、「目刺し」と呼ばれるようになったんですね。いや今でも「ほざし」と呼んでいる地方はあるのかも知れません。そう言えば近年ではシシャモを目刺しのようにつなげて売っていることもありますね。

鰯は弱い魚ですぐに弱ったり腐ったりしてしまうことから鰯と書くとか、卑しい魚という音から「いやし」が「いわし」になったなど諸説あるようですが、鰯の字そのものは日本で作られた国字です。長屋王の木簡にその名があると言うくらい昔から日本人に馴染みのある魚だったんですね。とても「卑しい」とは思えませんね。

食前や目刺代わりのEPA

EPAが豊富な青魚の代表とも言える鰯です。今は目刺しで飯を食う時代ではありませんが、栄養豊富な鰯は形を変えて人間の役にたっていますね。しかしサプリメントになると季節感は全くないですね。

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