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『死なないための暴力論』 刊行記念対談 森元斎✖️成瀬正憲 「暴力と尊厳の考古学」


 森元斎『死なないための暴力論』(集英社インターナショナル新書)の刊行を記念して、著者をお迎えしてのトーク&交流パーティをします。対談相手は、森さんの学生時代の先輩であり、サパティスタ民族解放軍についての読書会を一緒にやっていた山伏の成瀬正憲さん。気流舎の運営メンバーで、編集者だった故・長谷川(タンタン)さんの導きでこの会は実現されました。トークのあとは自由に交流しましょう!

日時:2024年2月12日(月・振替休日) 18:00開始
18:00~19:30トーク、23時まで交流パーティ
会場:気流舎(下北沢)
会費:入場無料、投げ銭制 
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企画・店番:ハーポ部長

森 元斎(もり・もとなお)
1983年生まれ、東京都出身。長崎大学教員。専門は、哲学・思想史。博士(人間科学)。中央大学文学部哲学科卒業、大阪大学大学院人間科学研究科修了。日本学術振興会特別研究員、パリ第十大学研究員などを経て、2019年より現職。現代思想やアナキズムに関する思想の研究をおこなっている。著書に『具体性の哲学』(以文社)、『アナキズム入門』(ちくま新書)、『国道3号線』(共和国)、『もう革命しかないもんね』(晶文社)など。

成瀬正憲(なるせ・まさのり) 
山伏・採集者。1980年生まれ。岐阜県出身。2009年に山形県に移住。2013年に「日知舎(ひじりしゃ)」を設立。土地の採食文化や手仕事を体得し、再構成して生産・流通させることで、そこに培われた知と営みをあらたに展開している。

森元斎『死なないための暴力論』(集英社インターナショナル新書)
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-7976-8136-9

 「暴力反対」とはよく聞くけれど、じつは世の中は暴力にあふれている。 国は警察という暴力装置を持っており、問答無用で私たちから徴税する(そして増税する)。資本主義は、私たちを搾取し、格差を生み出す。家父長制は男性優位・女性劣位のシステムをつくりあげる。一方で、こうした暴力に対抗して、民主化や差別の撤廃などを成し遂げてきたのも、また暴力である。世の中にあふれる暴力には、否定すべきものと、肯定せざるをえないものがあるのだ。 世界の思想・運動に学びつつ、思考停止の「暴力反対」から抜け出し、倫理的な力のあり方を探る。

 【内容の一部抜粋】
・人間は、そもそも暴力的な存在である 
・暴力は、ヒエラルキー(階級)の上位がふるうものと、下位がふるうものに大別される ・新自由主義経済がチリの軍事クーデターの要因となった 
・刑務所では、受刑者は搾取され、受刑者自身が対象となるビジネスを生み出す(産獄複合体) 
・インド独立も、アパルトヘイトの撤廃も、公民権運動も、女性参政権獲得も、「暴力と非暴力のセット」によって達成された 
・メキシコには権力を求めない「サパティスタ民族解放軍」という反政府武装組織がある 
・クルド人たちは、国家樹立を目指さない男女平等の運動「ロジャヴァ革命」を起こした 
・抵抗運動の多くは、中長期的に見れば成功している ・相互扶助もまた、(暴)力のひとつの表れである 

【目次】 
・第一章 世界は暴力にあふれている 
・第二章 支配・搾取する、上からの暴力
・第三章 自律・抵抗する、下からの反暴力 
・第四章 暴力の手前にあるもの 

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