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【一緒に勉強】文章力を高めよう・第3講⑦

こんばんは、如月伊澄です。
第3講の続きになります。

第三講は今回でおしまい。
もう一息です、最後まで頑張りましょう!


参考文献はこちら

【読者を裏切らないために】

【やってはいけない】

文章を書く上で、絶対に犯してはいけないミスをご存じだろうか?
それは「細部」の誤情報である。

フィクションの世界では「大きな嘘は許されるが、小さな嘘は許されない」との言葉があるそうだ。この一文はまさにそのことを示している。

例えば「ゴジラ」シリーズ。

現実世界に大怪獣はいないが、視聴者は当たり前のようにそれを受け入れることができている。大怪獣には現代兵器が効かない。これもまだ、わかる。

ゴジラの攻撃から逃げる主人公が、倒壊したコンビニ前にある公衆電話を使い、家族の安否を確認する。

なぜか、これは許されない。

「いまどきコンビニの前に公衆電話なんておいてない」
「そもそも電話線が生きてないだろ」
「悠長に電話している場合か」
「携帯電話はどうした」

視聴者からは容赦ないツッコミが入り、物語のリアリティは一気に崩れてしまう。大きな嘘は見逃してくれるのに、小さな嘘や違和感に人間は敏感なのである。

つまり物語の描写は、細部になればなるほど手を抜けないということになる。もちろん、ノンフィクションも同じだ。細部のミスがリアリティの崩壊を招く。

細部を語らないとリアリティは生まれないが、かといって描写に失敗すると、総崩れとなってしまう。細部をどれだけ大事にできるか、は文章を書く上で最重要ポイントのひとつと言えよう。

【なぜ小さな嘘をついてしまうのか】

我々が小さな嘘をついてしまう理由は「理解が足りない」からである。

自ら語ろうとする対象について理解が浅いせいで、意識的なものであれ、無意識的なものであれ、小さな嘘をついてしまうのである。

前項で見てきたように、あなたが語る内容について「読者は素人」であるが、知識についてはそうではない。
書き手が知ったかぶりをすれば、すぐに気づいて見限られてしまう。

それでは、小さな嘘をつかないためにはどうすればよいだろうか?

それは以下の鉄則を守ることである。

「文章には“自分の頭でわかったこと”以外は書いてはいけない」

古賀史健(著)20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社 e-SHINSHO)2012   p156

さらに具体例を引用させていただく。

これは数学で考えるとわかりやすい。

たとえば、あなたが高校生で、期末テストに図形問題が出題されたとする。「辺ABの長さを求めよ」という問題だ。解き方がわからず苦しんでいるあなたは、思わず友達の答案をカンニングした。学校一の秀才であるとも友達は、よほど自信があるのだろう、解答欄に大きな文字で「辺AB=4㎝」と書いている。

さて、これであなたも解答欄に「辺AB=4㎝」と書くことができるだろうか?

古賀史健(著)20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社 e-SHINSHO)2012   p156

少しスクロールを止めて考えてみよう。
あなたの答えが「できる」「できない」のどちらだとしても、理由も併せて考えてみて欲しい。







答えは「できない」だ。

理由は「解き方がわからないから」
答えだけわかっていても、それを証明するための解法を提示できなければ、カンニングしたことがまるわかりである。

文章についても同じことが言える。

文書とは「答え」を示すものではなく、「解き方」を示すものだからである。

例えば「自己啓発の本」に「こうすると自分に自信が持てます!」という答えだけ書いてあったとして、読者は納得するだろうか?

筆者がその方法に取り組んで描いてきたストーリーや根拠、事例など、そこまでの道のりを示さなければ、読者は納得して同じように行動しようとは思わないだろう。

読者にゴール地点を見せるのが目的ではなく、「ゴールまでの道のり」を示すことが文章の役割なのだ。

古賀史健(著)20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社 e-SHINSHO)2012   p156

もしこれから書くテーマについて学習や取材を行い、100学んでも60までしか理解できなければ、60までの範囲で文章を書くべきだし、なるべく100にたどり着けるように努力する必要がある。

なぜなら見せかけの100で文章を書いてしまえば、不足している40が「小さな嘘」となり、読者に見抜かれてしまうこととなる。せっかく理解した60の信憑性も失われ、あなたの文章は「ハリボテ」として読者の目に映ることとなるだろう。

60まで理解であれば、60の範囲で全力を出し切る。40であれば、40で頑張る。

わかりやすい文章は、そのような読者への真っ向勝負から生まれるはずだ。

【おわりに】

今回で第3項は終わりとさせていただく。

参考文献ではこの後も「読書体験」についての話が続くが、関心がある方はぜひ参考文献を手に取ってみて欲しい。(あるいは、番外としてまとめるかもしれません)

【あとがき】

第三講の話は小説や創作、というよりは日常分やビジネス文書に活用できる内容でした。更新遅れが顕著になっており、完了までだいぶ遅くなってしまい申し訳ありません。

残るは第四講のみとなります。

内容を読み込む時間が必要なので(これまで見てきたように、小さな嘘をつかないためにも)しばらく時間を頂くことになるかもしれませんが、最後まで書き上げるつもりですので、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

第三項は目標通り、7月中に完了できましたので、最終稿は8月中の完了を目標として。

「文章を書く」という一つのテーマでも、これだけ多くのテクニックや考え方があって、情報量に押しつぶされつつあります。すべて書き上げたら、もう一度振り返りを行って自分のものにしていきたいですね。

それではまたいずれ。

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