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20XX年、2月末。 アンドロイド開発技術者である宇野夕星(うの ゆうせい)は、彼が…
──時を遡ること、一年前。20XX年3月。 「ただいま」 宇野夕星(うの ゆうせい)…
夕星は幼い頃に事故で母親を亡くしている。家事はメイド型アンドロイドが代行し、愛情不足を…
陸軍AI研究の拠点、日本陸軍研究本部は横浜にある。夕星はアデルを連れ、その本部正門を見…
独房の中に入るなり、アデルはスッと振り返った。部屋の中から廊下の様子はうかがえない。い…
『other』そして『mother』。 アデルという名は『other』つまりは『他の・他人』という言…
「それで?」 居間の縁側から望める桜の大木を眺めながら、夕星は煙草を吸っていた。姉が煩(うるさ)いのでもちろん電子タバコである。それでも葉月の片方の眉は上がるのだが。 隣に座るアデルは葉月のパジャマを着せられている。白無地ではあるが襟にも裾にも愛らしいフリルがついていた。似合っているところが、これまた何とも言えない。 縁側に座った葉月の膝に、アデルが頬を持たせてころんと横になった。甘えていい相手だという認識らしい。すっかり乾いた髪を撫でながら、まるで子猫みたいだと
「アデル~。これ見て!」 そう言いながら葉月が取り出したのは、フリルとタックがたっぷり…
夕星とアデルが向かったのは、終末期ケアを行う療養所(サナトリウム)。その施設に収容され…
「アデルといったね。君はいくつだい?」 「十四歳です。試験運用を始めたばかりなので、失礼…
「隣の病室にギターと楽譜があるから、それを持ってきてくれないかい?」 頷いたアデルが席…
春の終わり、夕星の元に吉澤の訃報が届いた。葬儀からの帰り道、隣を歩く管理者にアデルが難…
今年もまた、うだるような暑い夏が来た。もう何十年も前から一年の半分は夏のようなものだ。…
運用検証の一環として、アデルが全寮制高校の保健室に派遣されることとなった。夏休みであるが、部活や個人事情で家に帰らない生徒もいるため、保健室は開いているのだ。 主な目的は、軽い怪我をした生徒に対する治療を適切に行えるか否かの確認である。診断や簡単な処置が出来れば、ヒーラー型アンドロイドの需要が増すという寸法だ。 しかし夕星とアデルが学校に出向くと、校長からとある不良生徒を更生できないかという打診があった。その生徒は家族との折り合いが悪く、夏休みも家に帰らないという。学