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2か月間のチームインターンを通して

この記事で言いたいこと

・チーム開発にろう者がいるならMTGぐらいは手話通訳士を絶対入れろ!
・チームの闇に立ち向かえ!
・絶対独りよがりに開発するな!チームを見ろ!

これが以下の記事のまとめです。ご興味があれば読み進めていただけると嬉しいです。


はじめに

こんにちは、こんばんは。KISETUです。
10月から12月までとあるIT企業でチームインターンをさせて頂きました。そこでの学びを皆さんにご共有させて頂きたいと思い投稿しました。

プロダクトについて

「xxxx」という名前のWEBシステムを作りました。エレベーターピッチ風に言うと、
聴者中心のリモート会議で、気軽に双方向性コミュニケーションをしたいろう・難聴者の、「xxxx」というプロダクトは、音声認識とチャットで普段の会話テンポを失うことなく会話できるシステムです。これは、チャット入力開始を音声で知らせ、入力内容をリアルタイムで共有し、チャットを音声合成で読み上げることができ、「xxxx」とは違ってチャットが話しているかのようにリモート会議参加者が感じられる機能が備わっています。
っていう感じでこれを満たせるように頑張りました。
本当に頑張ったぞ!!(。O ⩊ O。)

ろう・難聴者の間にも手話通訳士って必要!

読者の皆さんにはどんなコミュニケーションサポートツールを使っても、手話通訳士には勝てないということを強調したいです。

気付くまでのストーリー

  • 社員: 聴者

  • PO: にんじんくん(ろう者)

  • SM: スーパーKoki(ろう者)

  • メンバー: hhde(手話がメイン)

  • 私: KISETU(口話がメイン)

ある開発プロジェクトの初日、私はPOの手話通訳を引き受けました。「手話が分かるから、ある程度は任せて」と自信を持っていましたが、通訳中に日本手話を完全に理解できず、POが何を言いたいのかわからなくなってしまいました。この状況は約4週間続き、徐々に苦しくなってきました。

その結果、次のような弊害が生じました(´;ω;`)ウッ…

  • POが伝えたい意図が社員に伝わらない。

  • 社員が質問した意図がPOに伝わっていない。

この危機を認識し、チームで共有することにしました。チームメンバーからは、「えっ、社員さんはそういうことを言いたかったの?」という驚きの反応がありました。誰が悪いわけではありません。根本的に、生活言語が違うことが原因です。
通訳も、日本語で聞いて日本語ベースのまま手話で表現をしていたからです。
母語が日本語の聴者がイメージしてほしいのは「音声英語」→通訳→「書記英語」っていう状況です。結局、「英語」なのは変わらないですよね??
このような状況になると、質問者の意図とか掴むのが難しくなりませんか?
それがスタートアップの時に起こったんです。当然ですが、音声認識アプリは活用しています。それでも厳しいんです。だって生活言語が違うから!!!

手話通訳士がやってきた!

そんなこんなで、Dr.Chiemiに手話通訳士の派遣をお願いしました。
「スムーズなコミュニケーションを確立させるためには必要です!」ってお願いし、すぐに準備して頂きました。改めて感謝申し上げます。
結果から述べると、スムーズにコミュニケーションをとることができ、上記で述べた2つの弊害が一気になくなり活発な議論を行うことができるようになりました。私が感じたことは以下の3つです。

・安心感が違う(伝わっているぞ!!っていうマインドになる)
・POが考えていることがクリアになった!!
・意思疎通のスピードが段違いになった!


これめちゃくちゃいい効果になったと思いませんか??手話通訳士が入るだけでコミュニケーションの壁が取り払われたのです!!ツールを取り入れるより、意思疎通が早くなり、深い議論が行われ結果としてチームがいい方向へ向かうことが出来たのです。
そこで、読者の皆様は感じたと思われます。

「”手話通訳士を入れるだけ”って言うけど準備するだけでも大変なんだけど・・・」
「手話通訳士を呼ぶってどうすればいいの(?_?)」


私分かりますそれ!!!
PEPNet-Japanというものが本学にはあり、情報保障について検討することになれば是非連絡していただけるとわかりやすく教えてくださいますので一度ご確認ください!
以下のページは手話通訳士派遣について書かれています!!

手話通訳士の必要性と気づき

これまで大学で3年間情報保障を専門に学んできましたが、常に「日本語が分かれば問題ない」と考えていました。その考えが根本から誤っており、恥ずかしいことだと気づきました。ろう者にとっての母語は日本手話言語であります。それをきちんと尊重すべきでした。
私は、手話が少しできることから、軽い気持ちで通訳を試みましたが、その複雑さと専門性を思い知らされました。手話通訳士は単に言葉を変換するだけではなく、文化的な背景と感情も伝える重要な役割を担っていることを身をもって体験しました。
この経験から、手話通訳の深い知識と技術、専門性を尊重することの重要性を学びました。
チームメンバーのみんな本当にごめんなさい!!


次は、チーム開発での気づきについて共有したいと思います。


自然とアジャイルになった件

チームの闇が少しずつ蝕んでいく

最初期
・コーディング技術でぶん殴っていく
私のマインド
・まじで余裕過ぎて草
・簡単なプロダクトで暇になるわぁぁぁぁ

こんなマインドだと、絶対なにか起こりますよね???
そう!!起きたんですよ。

チームの闇があらわになってきた
チーム内で大きなトラブルが起きました。めちゃくちゃ大変なことになりました。その時のチームの雰囲気が死んでました。私のマインドも崩壊し、イライラしか募らせておらずとにかく復旧しないと!!って夢中になりました。
チームメンバーも私がやっている作業を手伝えず、なにも手が進んでいませんでした。だって、私がイライラしていたので声をかけづらいですよね。(めちゃくちゃ反省です)

部屋に帰ったあと一日の振り返りを一人で考えていました。
このままでは、もっとやばいことが起きる。と思い、
究極で天才的な先輩に相談するために部屋へ訪れました

私 :かくかくしかじかでして、うまうまだったんです。
先輩:それなら、このブログを読んで次の開発に活かしてはどうか?

以下の言葉がめちゃくちゃ参考になり、次の開発に活かしました。

象、死んだ魚、嘔吐

①「象」は口に出さないけれど全員が知っている真実。
②「死んだ魚」は、早くごめんなさいをしたほうがいい悩みのタネ。ほっておくと事態が悪化する。
③「嘔吐」は、人々が断罪されずに胸の内を話すこと。つまり「ぶっちゃけ」。

https://note.com/dora_e_m/n/n04aecfef6ad3

これを実際にMTGで行いました。
結果としていい方向に向くことが出来たと私は信じています。
一回、チームを見るべきですね。どんなに嫌なものであってもです。
逃げたくなる気持ちはすごくわかります。だって、これをやったとき私への不満が大量にあったんですから。だけど、それが現実なので向き合うべきです。私は、向き合い反省し改善を目指して取り組みました。

心理的安全性と私

心理的安全性: 心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。

https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness#identify-dynamics-of-effective-teams

これがチームの中にはなかったのです。大きな原因は私にありました。心理的安全性とは上記の定義の通りであり、むしろ当たり前のことなのかもしれません。だけどそれが出来ていなかったのです。
そこで私は、SMを担当しているスーパーKokiにお願いをし個人との対話をさせて頂ける機会を設けさせて頂きました。

SMと私


チームとしてどういった面が弊害になっているのか教えてほしい。
SM 
正直にいうと君が弊害になっている。もちろんコードを書く実力は君が高いのはわかっている。だけど、一人で開発しているだけではなにも進まないことは今、ひしひしと感じているのではないか?
(対人関係のリスクをとってチームのために言ってくれた。)

確かにそうだ。俺が独りよがりになっているな…ごめんなさい
SM
それが分かってるなら良し!じゃあ、チームからは俺から話しておくよ。

ということをおっしゃっていただきました。本当に頭が上がりません。
そこから、手話通訳士のコミュニケーションサポートも入り、チームが闇から脱出を果たすことに成功しました。

SMの仕事ぶりは本当にすごい・・・

そこから、あまり話していなかったチームメンバーと話すようになりお互いの考え方を知りどういったGOALが望ましいと考えているのかをすぐに共有することができるようになりました。アジャイルなチームが出来上がりどんどん前に進めることが出来ました。

まさに感動できる!!

まとめ

最後に言いたいこと

アジャイル開発を目指すのであれば、全員が同じ目標に向かって開発が進めれるように考えることが大切だと思います。いろいろな手段があるかと思いますが、たくさんチャレンジして沢山のフィードバックをもらいましょう!

そして、情報保障は、聴者であっても大いに役立ちます。これだけはなんとしても伝えたいと思っています。

チーム作りのベースとなるのは心理的安全性であり、そして個人との対話です。それができれば良いチームになるのはないでしょうか?
あえて疑問符にしています!チーム作りに正解はないので自分の所属しているチームにあったアプローチでどんどん進めていきましょう!

ここまで読み進めてくださりありがとうございました。
私は、このインターンの反省を生かし、次の開発へ繋げていきます。

謝辞

インターンを受け入れてくださった企業の社員の皆様ありがとうございました。このインターンで得られた学びについては今後の成長の糧にし日々精進して参りたいと思います。本当にありがとうございました。


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