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【こんな映画でした】83.[サロン・キティ]

2021年 2月 2日 (火曜) [サロン・キティ](1976年 SALON KITTY MADAM KITTY ナチ女秘密警察/SEX親衛隊(初公開時・105分) イタリア/フランス/西ドイツ 133分)

 ティント・ブラス監督作品。43歳当時の作品。イタリア人。初めてだが、もう他の映画は観る機会がないだろう。少し傾向が違うので。というか、今作もどちらかと言うとポルノ映画のような感じで観られていたようだ。邦題を見れば一目瞭然。これでは恥ずかしくて私は映画館に入れないレベルだ。お勉強という感じで観た。もちろん男女ともヌードシーンが頻出する。だが、狙いはそこではないだろう。

 役者としてヘルムート・バーガー(撮影当時32歳、ヘルムート・ワレンベルグ役)とイングリッド・チューリン(撮影当時50歳、キティ・ケラーマン役)が出ているということでも興味があった。彼女はベルイマンやヴィスコンティの映画で観ている。娼婦役でのメインはマルガリータ役のテレサ・アン・サヴォイ(撮影当時20歳)。

 オープニングシーンとラストシーンは、サウナであった。ヘルムート・ワレンベルグは、最初はそこで命令を受け、最後はそこで命を奪われることになる。彼に「国家社会主義」の批判をさせているが、たしかに当時のドイツ人すべてがナチズムを信じ、ヒトラーを信奉していたわけではないだろう。この娼館にやってきた一人、空軍大尉にもヒトラーを狂人と言わせている。

 なおイタリア映画なのに英語で話されている。やはりアメリカ市場へ向けてのことか。『決定版! Viva イタリア映画120選』(吉岡芳子 清流出版 2012年)で紹介されている一本。

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