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【こんな映画でした】665.[チップス先生さようなら]

2020年 1月 1日 (水曜) [チップス先生さようなら](1969年 GOODBYE, MR. CHIPS アメリカ 151分)

 もしかしたら1939年版のを観ているかもしれない。こちらはカラーで、今一つ覚えていなかった。少しミュージカル風に仕立ててある。学校と先生・生徒ものの映画は廃れないものだと思う。

 主役のピーター・オトゥールは撮影当時36歳くらいか、老けメイクをしているが、やはりよく見れば若い。彼のアップのシーンも多いのだが(最後の生徒の前での演説など)、その演技は分かるんだけど、私にはやや演技過剰に見えた。器用にできるということは、何かデメリットもあるのかもしれない。相手役のペトゥラ・クラークもオトゥールと同年生まれ。名前は知っていた。

2020年 5月18日 (月曜) [チップス先生さようなら](1939年 GOODBYE,MR.CHIPS イギリス 114分)

 こちらはサム・ウッド監督、ロバート・ドーナット主演のもの(撮影当時34歳)。モノクロ。カラーのピーター・オトゥール版を先に観ていたので、分かりやすい面もあったが、同じ原作のはずなのに描き方・焦点の当て方が違うものだと気づかされた。

 最初の30分余りで、チップスの新任から中年までを描き、そこからようやくグリア・ガーソン(撮影当時34歳)扮する妻との出会いが出てくる。これはウィーンへの徒歩旅行の際の出会いとのこと。これはカラー版ではなかったか。

 正直言って、イギリスの私立学校の歴史や伝統といった特権階級を描いたところは、とてもくさくて観てられない。もちろんそれで満足を覚える人たちがいるから、そのように原作も映画も作られるのであろう。

 この主演俳優は、この映画でアカデミー主演男優賞を取っているとのことだが、それはクラーク・ゲーブルを押しのけてのことだそうだ。私には不可解だ。名演とはとても思えない。ピーター・オトゥールもそうだったが、この俳優もオーバーアクションなのだ。それにメイキャップもイマイチなのだ。

 実は最初の30分で一旦観るのを止めた。しかしお勉強だと思い直し、我慢しながら観ることに。校長になる経緯はカラー版とは違っていたような気もする。退職時の挨拶・スピーチも簡単なもので、それはカラー版の方が印象的であった。

 両作ともに共感できるのは、生徒たちを自宅にお茶に招くところと、卒業生たちの戦死をみんなに伝達するシーンだ。教師としてもっとも喜ばしい生徒たちとの交流と、その反対にもっとも悲しむべきこと、である。

 全体的にカットの切り替えが、ブツ切り的でやや不満が残る。

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