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【こんな映画でした】342.[アポロンの地獄]

2021年 8月 7日 (土曜) [アポロンの地獄](1967年 EDIPO RE OEDIPUS REX イタリア 104分)

 ピエル・パオロ・パゾリーニ監督作品。[アッカトーネ](1961)と[大きな鳥と小さな鳥](1966)の二本をこれまで観ている。これからも観たいのがあるが、なんせそのDVDは高いので二の足を踏む。

 それはともかくこの映画は、1972年3月8日に映画館で観ている。どんなふうに感じたのか、今となってはまったく思い出せない。中味も思い出せなかった。特にラストシーンが現代イタリアになっていることなど、まったく。*
 オイディプス王となる若者にフランコ・チッティ(撮影当時31歳)。彼は[アッカトーネ](1961)で初めて観た。王妃イオカステにシルヴァーナ・マンガーノ(撮影当時36歳)は[にがい米](1948)ほか4本ほど観ている。

 音楽ではクレジットがないが、日本風の音楽も使われているようだ。撮影はモロッコで行われたように、ギリシア的な趣はない。

 フランコ・チッティの顔は、王になるまで、そして王であった時は大した深みを感じさせられない。しかし眼をつぶした後の彼は良い顔をしている。そういう演出なのかもしれないが。

 この話は、単に息子というのは、その産みの母親を思慕し、その果てに性的なものまで求めてしまう、ということなのか。父親に嫉妬して母を、ということはあっても、そこから交情にまで至ることはまずないと思う。

 もちろんここでの話は、知らずに母と交情してしまうのだが。だからより残酷なわけだ。虚構とはいえ。

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