見出し画像

【こんな映画でした】709.[皆殺しの天使]

2020年11月14日 (土曜) [皆殺しの天使](1962年 EL ANGEL EXTERMINADOR THE EXTERMINATING ANGEL メキシコ 95分)

 ルイス・ブニュエル監督作品。これまたサッパリ分からない映画、説明のない訳の分からない映画、といったところ。要するに観客がそれぞれに、勝手に何かを感じたり考えたりしたらいい、ということなのだろう。

 一室から誰も外に出られないという発想は、SFものとかでもありそうで、結界が張られて出られないというのか、単に集団ヒステリー的に出られないものと錯覚・誤認したものなのかもしれない。

 それにしても狭い一室に閉じ込められて、水も食料もない極限状態におかれたら、人はどのようになるか、といった実験的な意味合いもあるのかもしれない。ここではスケープゴートを見出し、集団で殺そうとするところまでいっている。

 そんな状態でも冷静に考えることのできる人間(ここでは女性)に、実はその閉じ込められているということが、虚構であることを見抜かせたのかもしれない。結果として、一斉に外へ出ることができたわけだ。

 ただ分からないのはその後のシーンで、教会でのミサ(無事に出られたら行くと言っていたもの)はそれでいいのだが、その後、またしてもそこにいる人々が教会の建物から出られなくなってしまうのだ。

 そしてその教会の外では、軍隊による民衆の虐殺が行われているというわけだ。何かを非難しているのだろうが、分からない。

 やはりルイス・ブニュエルの[ビリディアナ](1961)の主役女優・シルヴィア・ピナルがここでも中心となっているようだ。撮影当時30歳前後。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?