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【こんな映画でした】628.[一日だけの淑女]

2020年 8月17日 (月曜) [一日だけの淑女](1933年 LADY FOR A DAY アメリカ 96分)

 フランク・キャプラ監督作品。あらかじめストーリーを知ってしまっていると楽しめないものだが、この作品はそういうものの一つだった。というのも何も知らなければストーリーの進行に応じて、ヒヤヒヤドキドキできるものを、結果を先に知っていたらそういった感情の流れが出てこなくなる。

 そういう意味で、先に知っていたのは失敗だった。もっとも、ある程度は映画の中身を知らないと、選択できないのだが、そこが悩ましいところだ。解決策としては、とりあえずもう一度、白紙で観てみることか。

 リンゴ売りのアニー役は、メイ・ロブソンで1858年生まれで撮影当時74歳。最初のリンゴ売りのシーンは、[マイ・フェア・レディ]の花売り娘イライザのような感じにも見て取れる。やや演出過剰気味に下品な感じにしてある。そこまでしまなくても、と思った。その後の変わり様を強調するためではあろうが、やややり過ぎか。

 あと格好いいのはギャングのボスで、撮影当時38歳のウォーレン・ウィリアム(映画では34歳だと言っていた)。アニーの娘と婚約者の出番は少なく、やはり主役は最初の二人だということだ。

 さてストーリーを分かっていて観たので、やや客観的にこのシーンは長すぎるとかくどいとか、テンポが悪いとかと思ってしまった。後に、といっても約30年後にキャプラ自身がリメークしているので、この映画の出来に不満があったのかもしれないし、あるいはストーリーに愛着があったから別の俳優(ベティ・デイヴィス)で撮ったのかもしれない。こちらも観てみたいものだが、入手困難のようだ。

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