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汽笛が鳴る

薄霧が立ち込める夜の港まちを歩いてみる。
目的もなく、ただひたすらに。

手元に灯りはなく、頼りは薄暗い街灯と頭上に見える三日月から上弦の月の間の月の灯りだけ。(なぜそのフェーズがわかるかっていうと、確か、この前新月だったから)

まだまだ月の灯りでは進むには頼りない。

もう少し明るいところを進むのだ。
夜の終わり歩きながら、朝日を、太陽の光を待とう。

誰かが途中でグィッっと私の手をひっぱった。
案内をしてくれているようだけど、とっさの自分の直感でそっちじゃない、とその手を振り払う。

もうすぐ夜明け、

彼方で、きっと向こう岸だ、汽笛が鳴っているのが聞こえた。
船だ!
心が弾み、軽やかにそっちに飛び乗る自分が浮かんだ。

そこで起きた。夢だった。

人はいつからでも人生をやり直せる、
スタートさせれる。ってよく聞くセリフ。

本当だろうか?って斜めから構えてしまう。
というか”私”はいつ始まったんだろう。いままでたくさんの”私”を生きてきた。どれもが「私」

最近、また”私”を終わらせて、山を下り、下界の空気を脳内に行き渡らせるている。いま、世間がどれだけ騒ごうが、静かに世界の中心は自分。
(せかちゅー?)


幽かに汽笛が聞こえているような気がする。
行こう、うん、行くよ。

でも時はまだだ。
もう少し、もう少しだけ長くあの汽笛を鳴らしてもらおう。
重い荷物を捨て、弾みよくスタートしないといけないのだから。


*1年半前に植えたミモザの若木が昨年の夏に急成長して、花をつけてくれました!

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