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奢り、奢られ、貸し、貸され③

こんばんは。生粋です。

あいも変わらず人に生かされております。

どうやら定期を買ったのも夢の中の出来事だったようで、今日は自転車で通学してみました。

私が徒歩で通学してることをご存知の方は、じゃあいつも自転車乗れよ。とお思いでしょう。

しかし私の愛車は2度の事故と数えきれない転倒によってあちこちガタがきており、乗るたびに新しい不具合が生まれます。

片道8kmの道、途中で自転車が壊れたら悲惨じゃございませんか。絶対に押して歩きたくなんかないけど、自転車屋に預ける金もない。
思い入れがあるので捨てたくもない。

じゃ遠距離の時は乗らないのが無難でしょう。

しかしながら今日は受けなきゃならない授業があったため、自転車で学校に行ってみました。

今回はそんなおはなし。

いつもちんたら歩く道をかっとばして学校に向かう。通学路は山を2つ越える。くだりが最高。スピードで言えばバイクの半分も出てないんだろうが、顔が出てる分素晴らしい爽快感。

学校の最寄り駅に停めて、スクールバスへ。

もうおじいちゃんなので3つ目の山を登る気力はなかった。

ここが博打だった。それはそれは小さな博打。

私はもちろん駐輪場代など持っていない。

今日受ける必要があるのは一科目。
その間だけ駐輪場、ガッチャンコしないで使えないかな。使えるだろう。という博打。

断っておくが私はこういうインチキは好きではない。インチキ人間だが、インチキなりのこだわりがあるのだ。

落ちてる財布を拾うのはアリ。スロットのハイエナもアリ。でも万引きはナシ。キセルもナシ。せどりはダサい…

良心のともしびの燃えカスがくすぶっているのだろう。

でも背に腹は変えられないというか、普通に焦ってたので良心の燃えカスに消火器をぶっかけて自転車を停めた。

なんとか授業に出席。
浮気症の友達と「約束とは何か」みたいなことについて語らって、学校を後にした。

カス2人に取り上げられて「約束」の方もいい迷惑だろう。

しかも何でまたそんなことを話していたかというと、「約束」がテーマのエッセイの大賞が100万円だとか。

「約束」といえばもっとこうまっすぐで、尊いもののような気がしていたがそんなことはない。100万円貰える魔法のキーワードだ。

さて、愛車よ。帰るぞ。

この時点でいいアイデアが出ていたので、私はすっかり100万円持ってる人みたいな気分でいた。

それに関しては疑いようもなく夢。白昼夢。
とうとう幻覚癖がついてしまった。

そんなことより2択の博打の最中だったことを思い出してしまった。現実は残酷だ。

駐輪ラックの番号は打ち込んだ。しかし精算のボタンが押せない。もし2時間弱の間にガッチャンコされてしまっていれば、今日は徒歩帰宅。さらに寝ている間にも駐輪代がジワジワと。

しかも駅前なので12時間200円。上限ナシ。ぼったくりバーも真っ青の価格設定だ。

こんなデバフを食らったら死んでしまう。

しかも明日取りに行くのが大変めんどくさい。

ええい。ままよ。

精算。

終わった。

しかも高い。

今の手持ちは80円ちょっとと、20万のシャンクスを出そうと思って買ったワンピースのカード。

ミホークは売値が800円くらいなので、200円にはなるだろう。そう思って近くのトレジャーファクトリーに赴いた。

あの…すごい少額なんですけど…
買取お願いできますか…

はい。可能ですよ。

これ…あの…ミホーク…

すみません。うちでは取り扱っていませんね。

恥ずかしい。買い取って貰っても恥ずかしいが、買い取ってもらえないとなると恥ずかしいうえに惨めだ。

恥ずかしついでに知らない人にも声をかけてみた。ミホーク、200円で買いませんか?

無視。冷たい国だ。

万策尽きた。潔く負けを認めて、歩いて帰る。自転車は大きくなったら迎えにこよう

博打に負けたんだから、自分のケツは自分で拭わないとならない。

…いや。ケツを拭ってくれそうな人に心当たりがある。

高校の時世話になった先輩に電話を掛けてみた

もしもし、ケツを拭ってくれませんか?

ああ、駐輪場代寄越せってことね。

話が早い。
駅前のロータリーで汚れたケツを突き出して待っていた。

近くに居たらしいこの人はすぐ来てくれた。

いつもダイエットしている

車の窓から200円投げつけて貰って這いつくばって拾うべきところを、図々しくも車に乗っけて貰った。

聞けば明日は豚汁焼き芋パーティーとかいうのがあるらしい。その買い出しに付き合うことになった。

一通り買い物を終えたとき、一軒の中華屋が目に入った。

美味そうだね。食べてく?

食い逃げの奨励か?

食い逃げ幇助の罪で捕まるつもりなのだろうか

違った。ケツを拭ってくれた上に、飯も食べさせてくれるらしい。

開店記念だかなんだかで、ラーメン一杯500円だった。安い。

レバニララーメンみたいなのを頼んだ。
実は唯一苦手な食べ物がレバーなのだが、中華屋のレバニラは大好き。

それだけでいいの?と聞かれたので米も頼ませて貰った。冬眠に備えて食い溜めしとこう。

客2人に対して、厨房では5人くらい忙しなく働いていた。

ほどなくしてレバニララーメンが届いた。
美味い。
ふ菓子以外のものを食べたのは久しぶりだ。

美味いものと美味いものを組み合わせてみようと考えるのはごく自然だが、同時にアホだなあとも思う。

カツカレー考えたやつなんかもかなりアホだと思う。

レバニララーメンは、ラーメンにレバニラを乗っけたみたいな味がした。留守番してるとき、自分で作った昼飯みたいだった。

満足して店を出る。

先輩にごちそうさまでしたという度に、入り口で焼き鳥を焼いている中国人がドウモ!と言う

あんたじゃない。さっき言ったろ。

再び車に乗っかる。ここで2択を提示された。

休日分の駐輪場代あげるから、今日は車で帰る
200円あげる。

前者で。

遠慮とプライドは母親の子宮に忘れてきた。

駐輪場代を支払ってあまりある金額を貰って、光の速さで懐にしまった。この2千円は誰がなんと言おうと俺のもんだ。

さすがに申し訳ないのでミホークをあげた。
別に要らないし。多分先輩も別に要らないと思う。かっちょいい厚紙を押し付けただけだ。

高校時代さんざん世話になったのに、卒業して2年が経とうとしている今もまんまと世話になり続けている。

てももし何かを恨むとしたら、同じ学校の吹奏楽部に入ってしまったことを恨んでほしい。
あとから入ったのは私だが。

まあありがとう、ごめんね、愛してるはちゃんと言うようにしている。タダだから。

そういうことなのでまたケツを拭いて欲しい。

私のような後輩を持ったことに関しては心底同情する。



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あといいねを押すとかわいい女の子が出てくるようになりました。タダなのでぜひ。

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