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人は心底美味しい時、一皿ずつ「いただきます」してしまう

「あかん、美味しい以外の言葉がみつからんわ。」

飲食系のライティングをすることが結構多いので、なるべく「美味しい」を「美味しい」以外の言葉で伝えたいと思っている私です。
でも実際はマジで美味しいものを食べると「美味しい」しか言葉が出てこなくて困ってしまう。

さて、ずいぶん遠くまで来てしまった。
車窓から見える景色から実家感漂う。
ここはJR三田駅すぐ近く。
2月18日、おとといオープンしたばかりの「おととごはん味保」さんです。
(いや、これを言いたいがためにこのタイミングでアップしたわけちゃうねん。。。)

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店主の赤坂さんはフレンチの世界を目指して料理の道に進みながら、勉強するうちに日本料理の魅力に取りつかれて現在に至る。
ミシュラン三ツ星の和食店や、皇室御用達の旅館などガチな日本料理店で(おそらく大変厳しい)修行を経て満を持してこの地に独立!
その経歴とスケボーとか教えてくれそうないいお兄ちゃん風情の見た目にギャップ萌え。

お出汁の国に生まれたプリンセス

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何とも麗しい前菜八寸にいきなりテンションが上がり、最初に聞いた説明が全部吹っ飛ぶ。

「ひゃあ~シャキシャキで美味しいコレ、なんでしたっけ?」
「うるいです^^」
「この緑のおいしいやつ、なんでしたっけ?」
「若ごぼうです^^」

めんどくさくてすみません(笑)

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次は煮物椀。
その場で薄く削ったばかりの鰹節で取る出汁は何と賞味期限3分
そう、ウルトラマンが帰るまでに飲み干さないといけない。
そのウルトラマン出汁が桜の葉が練り込まれた自家製のゴマ豆腐と金目鯛、花柚子が入ったお椀に注がれる。
蓋をあけるとふわ~っとお出汁の良い香り!
お出汁の国で生まれたプリンセスはこの香りを嗅ぐと悪い魔法が解けるとか解けないとか。

「なんで3分なんですか?」
「時間が経つとえぐみが出て全然味が変わるんです。ちょっとこれ残ってるんで後でお出ししますね!味の違いわかると思います」

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次はお造り。
私ね、和食の料理人が使う鋭い刺身包丁好きなんです。
鋭くて光ってる包丁がお魚の切り身に抵抗なく滑り込む様子が好き。
カウンターからちょっと見えにくいんやけど、高めの座高を最大限に伸ばしてのぞき込む。
すると、、、店主がわさびをすりはじめたーーーー!

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はい、私大人になっても唯一克服できていないのがわさびでして。
お寿司はさび抜き、お造りに添えられたわさびは半径10センチから近づかない。お箸の先がちょっとでもわさびに触れようもんなら、お箸変えてもらいたくなる。
いつまでも子供心を忘れないとはこのことか。
そんな私でもいけるのは、おろしてから5分以内のわさび。
ちゃんとしたお店じゃないと出てこないこの手のわさびだけ大丈夫。

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「実は私わさび無理なんですけど、このパターンはいけるんですよ」

と謎の贅沢アピールをしながらありがたくいただきました。

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お次は焼き物。
鰆の西京焼きはこの半切れで日本酒二合はいける。
てかいかせてください!

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帆立と筍の木の芽焼きは、帆立が焼かれることでうま味凝縮、筍はホックホクで甘い!
くぅ~幸せ。

とここで、忘れておったよ。
賞味期限3分の先ほどのお出汁。
「全然ちがいますから」
と言われて、取るリアクションは心に決まっていた。
私も大人や。
舌もそれなりに経験値を積んでいるし、空気も読める。
「うわ!ほんまや!全然違う!」
......こう言うはずだった。

満を持して一口。
「・・・・・」
(やべ、普通に美味しい。)
「え、と。すみません。美味しいです・・・」
お出汁の国で生まれたプリンセスやけど、幸せに生きていくために美味しさのストライクゾーンを広めに設定して庶民の味に慣らしていたせいでお望みのリアクションはとれず……
でも、よくよく感じてみると味というよりも鼻に抜ける香りが全然ちがう!
(ほ、ほんまやで)

和食の世界は奥深い。
もうすっかり満喫95%の頃、いよいよフィナーレが。

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でったーーーー!
ほっかほかの土鍋ごはんが登場!
つやつやのご飯にうすい豆と桜海老。
絶対美味しいやつやん!
何よりも店主の笑顔がインスタ映え。
ありがたや。

気づいたら、ここまで全品手を合わせてた。
本気で美味しいと手、合わせるよね。
プリンセスやから。
日本人のDNA大喜び。

おひつご飯がおかわり自由なランチ

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聞くところによるとランチも魅力的。
オーダーしてから目の前に焼き上げてくれるお魚にお造りとお味噌汁。
そしてなんとご飯はおひつスタイル!
「おかわりください」と言わなくても自分で好きなだけ食べてよし。

小さいお子様もウェルカム

お子様用のメニューがあったり、魚の食べ方が学べる食育玩具があったり、
ガチャガチャが用意してあったり、お子様もウェルカムだそう。
小さいうちから本物のお出汁の味、お魚の食べ方、きれいな盛り付けを見て味わうのは何よりの食育。
ファミリーで行くのもおすすめです!

おととごはん味保
JR・神戸電鉄三田駅前
定休日:日夜・月曜日


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