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光と

スルスルと、ゆるいGを背中に感じる。
テーブルのコーヒーは小刻みに、僅かに揺れている。
「長いんだな」
普段乗り慣れているバイクや車の加速感とは顕らかに、圧倒的に違う。
優しく、力強く、そして穏やかな心地良い加速だ。
フッと背中のGが緩んだかと思うと、すぐにまた再びフワッと、柔らかなGに抱かれ、窓外の景色が淡々と飛んでいく。

こんなに素晴らしい移動手段があったとは。
これまで知らずにいた未開の人類であったらしい私は、驚きとともに瞬時に目的地に着いた。


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