保津川下りの救助訓練
3月にあった保津川下りの転覆事故を受けて、運営組合が水難救助の訓練を行ったというニュースをしていた。
事故に対応して、その対策をとるというのは基本的なことであろう。
水難救助の専門家の指導のもと、実際に船を運航させる人達が「もしも」の時のための対応を学ぶ。
「プロの船頭」さんたちが、そういったスキルを学ぶことはもちろん良いことだとは思うのだが、これまでそういったことがされてこなかったらしいということに衝撃を受けた。
以前、京都新聞には救助された方の話として、紐を引っ張ることによって膨らませるタイプの救助具が装備されていたが、実際には急流で使用することは困難で、使えない道具だったことや、亡くなった船頭さんが、救助具が膨らまないままで流されている乗客に、流れている木箱を渡して掴まらせていた事などが載っていた。
現場の者はそれこそ命がけである。
会社として、組織としてそれを運営する側の人達にはできる限りの安全対策を講じていただきたい。
乗せているのは冒険者や研究者ではなく、危険という事に対しての意識も覚悟もない「お客様」なのだから。
「タイタニックツアー」で消息をたっているタイタン号の、操縦士として乗船していたこのツアー会社のCEO が、コストダウンを重視して
「安全性は相対的なものだ。人生において完璧な安全性を望むなら、寝床から出てはならない」
と話していたという。
しかしそういうわけにもいかない。寝床から出るときは、やみくもに飛び起きるのではなくて、行き先を良く見た方がいい。
こういった、危険を伴いそうなモノ、スリルを売りにしているようなモノに、自分や家族が参加する場合には、本当に覚悟をするか、せめて信頼できる会社、組織を選ぶ必要があることを覚えておきたい。
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