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5. 感情へのアプローチ

前回の「4. 『見える化』する」までで、今のボクが考えるファシリテーターとして大切なポイントを全て紹介してきました

マガジンのタイトルである『やってみてーなー ファシリテーター』のように、読んでくださったあなたが少しでも「やってみたいな」「自分にもできるかも」って思ってもらえたら嬉しいです


そして、少しでもそう思っているうちに実践してみてください


ボク自身がここまで書き続けることができたのは、どこかですごく勉強したわけではなく、関連の本を読みあさったわけでもありません

ここまで読んでくださったあなたは、ボクだけが特別な才能を持ってるわけではないこともお分かりだと思います

ボクはとにかく現場で実践し続けてきました
そこで感じたことを、次の行動につなげ、その結果感じたことをまた次の行動に・・・と積み重ねてきただけです


水にぬれなければ

泳ぎはできない

** 相田みつを(詩人・書家)**


会議やミーティングの大小は問わず、もっと言えば仲間や家族と話す時間でもいいと思います

ボクが伝えてきたことに、少しでも何かを感じた方はぜひ行動に移してみてください

『感じたら動く』
ここまでが本当の『感動』であり、その感動は『can do(できる)』につながります


さて、ここまで読んでくださったあなたに感謝の気持ちを込めて、特別に5つ目のポイントをご紹介します

このポイントは、最近特に意識をしているのですが、かなり効果があると実感しています


それは『感情にアプローチする』ことです


どのような会議やミーティング(そのゴール)なのかにもよりますが、理屈や理論だけではなかなか話が進まなかったり、一見スムーズに見えて実は中身が空っぽな結論になってしまうのを何度も経験してきました

とはいえ、いわゆる『感情的』になってしまったら、うまく進むものも進まないということも何度も経験してきました

こうならないように、開始前に3つのルールを確認するというポイントも紹介しました
https://note.mu/kita_kita/n/n606fa494a8c5

その上で、自分の考えと感情をセットにして伝えることの大切さとその効果をお伝えします


「嬉しい」と感じた人に、「その嬉しさはよくない」とか「嬉しいと感じるなんて間違ってる」なんて誰にも言えないように、感情にはいいとか悪いとか、正しいとか間違ってるということがありません

嬉しい、楽しい、幸せ、安心、悲しい、寂しい、不安、悔しい、苦しいなどなど

人は心が動いた結果、「じゃあこうしよう」という考えが出てきます

プレゼントをもらって嬉しかったからお礼を言おうとか、失敗して悔しかったから練習をがんばりたいとか

その感情の部分にアプローチすることができれば、「だからこう考えてる」という自分の考えが伝わりやすくなったり、「じゃあこうしたらいいんじゃない?」という前向きな意見が出てきやすくなると思います


ボクは心理カウンセラーでも何でもないので詳しいことは分かりませんが、できるだけその感情のもっと深いところにまでアプローチし、その感情とともに意見を引き出せるようファシリテートするように意識しています

たとえば、分かりやすいのは『怒り』の感情です

『怒り=感情的』というイメージは多くの人が持っていると思いますが、この『怒り』という感情も実は本当の気持ちじゃないということをよく感じます

怒りという感情の根っこは「認めてもらえない悲しさ」や「分かってもらえない寂しさ」だったりします

それをきちんと表現できずに『怒り』という感情を使っているだけで、「悔しかった」「寂しかった」といった素直な感情を表現することができれば、とてもスムーズに気持ちが伝わり、具体的なアイデアも出やすくなります

会議やミーティングといえば思考を使った『理論』や『理屈』で進めていくイメージが強いかもしれませんが、このように感情にもアプローチしながらファシリテートすることで、出てくる意見やアイデアが確実に変わります


「何でそう思ったの?」

「それを聞いてどう感じた?」

「どこに違和感がある?」

「最終的にどうなったら最高?」

「だったらどうしたい?」


あくまでもフラットな立場で参加者にしつもんをし、感情にアプローチしながら、その会議・ミーティングの参加者全員で答えを作っていくような感覚で進めます

この場合の『答え』とは、絶対的な『正解』ではなく『納得解』です


時には黙って見守り、時には「こういうこと?」って訳してみたり、また時には誤解を招きそうな意見に補足説明をしながら、ポイントポイントでしつもんをし、参加者の感情を引き出す

あるはずのない『正解』に誘導するのではなく、その場・そのメンバーの『納得解』を創る

そのためにしつもんを使って意見を引き出し、今話していることのポイントや違和感(引っかかりの部分)がどこなのかを常に感じ、整理する

その結果、たとえその時間内に答え(納得解)が出なくても、それはきっと『いい会議・いいミーティング』になると思います


それでは今日のしつもんです

『どう感じていますか?』


人間が行動を起こすのは、正しい理論でも強い意志でもなく、『感情』が動いたとき

会議やミーティングでも同じことが言えると思います

そこにアプローチし、そこを引き出し、そこから創り出していける、そんなファシリテーターを目指して、これからも実践し続けていきます


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