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学校に遊び心を06 読書へのアニマシオン


1.物語に触れて欲しい

 僕は、物語を読むのが大好きです。特に、現実世界では遭遇できないような世界を描いた物語が子どもの頃から好きでした。ところが、これまで勤務してきた学校で「子ども達が本を読まない。」ことが課題になることが多かったです。本を読まないので、必然的に読解力も向上しない。その影響は、国語だけでなく他教科へも影響を与えます。
 そこで、「どうしたら、子ども達が本を読むだろうか?」と読書の時間を確保したり、読み聞かせをしたりと試行錯誤を積み重ねました。その中で出会った手法が「読書へのアニマシオン」です。

2.「読書へのアニマシオン」とは?

 スペイン発祥の読書の楽しさを伝えたり、読む力を引き出したりするための手法です。マリア・モンセラット・サルトの『読書へのアニマシオン:75の作戦』という書籍があります。詳細は省きますが、具体的には以下のような活動を行います。

(1)読み違えた読み聞かせ
 一度、物語を読み聞かせた後、意図的に言葉を言い換え(読み間違え)て読み聞かせをします。そして、子どもたちに読み間違えたところを指摘させます。更に、発展させて、「読み間違えたところの共通点」なんてしかけを作っておいて、後から考えさせることも効果的かもしれません。

(2)「これ、だれのもの?」
 物語を読んだ後、登場人物の持ち物を提示します。複数の登場人物がいる場合、どの持ち物が、どの人物のものかを正しく結びつけるようにします。登場人物が一人の場合は、少しアレンジして「作中に登場したもの」と「登場していないもの」を提示して、登場したものを選ばせます。

(3)「これが私のつけた書名」
 共通して読んだ作品の書名(題名)が適切かどうかを問いかけます。その後、自分ならどんな書名をつけるかを考えて提示します。少人数でなぜ、その書名にしたのかを話し合い、しぼっていきます。

3.デジタルアニマシオン

 さて、全部で75種類紹介されている「読書へのアニマシオン」ですが、例えば、「これ、だれのもの?」では、持ち物のイラストを印刷して提示するのは一苦労でした。そこで、児童用端末が整備されたタイミングで、Google JamBoardを使ってデジタル化しました。

(1)デジタル版「これ、だれのもの?」
 JamBoardに挿絵のスクショを散らばらせて子どもたちに配付します。

(2)デジタル版「これが私のつけた書名」
 JamBoardのテキストで書名を書き込ませます。話し合った結果、採用されなかったものを消していきます。

 JamBoardを使えば、付箋で物語の出来事を散らばせてあらすじを整理する活動などにも使えます。

実際の様子

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