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俺は骨の髄までありきたりだ! #4 うちと名画座の往復

川島雄三コンプ計画

ちょうどいま、名画座のラピュタ阿佐ヶ谷で、川島雄三レトロスペクティブを開催しており、配信のない作品を中心に観にいっている。

なんだんだ、俺。小西康陽か?
春めいてきたせいか、映画館も混雑してきた。『真実一路』なんてぎりぎりに到着したら完売になってたし(翌日早めに行ってなんとか鑑賞できた)。
一月の大映映画祭以来、なんだかやたら映画ずいている。と、いうかこれまであんまり映画を観てこなかったので、なにからなにまで楽しい。
しまいには映画ノートなんてつけだす始末です。
といっても、「宝田明かっこいいな~」とか「子役のでんぐり返しが微笑ましい」とかわざわざ記録しないでもいいことしか書いていないのだが。

そろそろカフェでのリモートワークの作法を定めたい(あるいは暴徒たち)

桜が咲いているというのに、出かける場所と行ったら映画館くらい。いま書いている話で頭が破裂しそうになっているものだから、景色を楽しむ余裕もない。
ああ、去年はやたらと旅行にいってたのになあ~。まあそういう時期なのだろう。忙しいのはいいことである。落ち着いたらどこかに行くだろう。しかしその予定を考える気持ちにもなれない。
にしても、コロナ禍を経て一番変わったな、と思うのは喫茶店でみんなPC広げて何時間も居座り、あげくズームまでするようになったことである。店員さんが注意してもやるしね。で、そういうやつに限って声がデカいから、なんの仕事してるか丸聞こえ、「××社の◯◯無能だからさ~」なんて悪口言ってるし! 大丈夫なのか? 覚えたぞ!(嘘です興味ないので忘れた)
まあ僕も喫茶店でカチャカチャやってる口なのであんまり言えない立場なんですけどね。
つい最近はファミレスの一角を自分の部屋みたいにしているやつもいたしな。雨降って濡れたからなのか、タオルを仕切り板にかけて乾かしていた。で、PCを充電しながら漫画を読んでた。なんかもうここまでくると、すげえ、としか。

山崎豊子先生

『暖簾』(川島雄三)、『ぼんち』(市川崑)、『女の勲章』(吉村公三郎)とここしばらく続けて山崎豊子原作の映画を観たものだから、そのまま本にまで手を伸ばしてしまった。忙しいときの読書ってのはなんでこんなに進むんでしょうかね。『白い巨塔』と『女系家族』は昔読んだんだけどな~(ドラマの影響ですね)と思いながら、読んでいない作品を執筆の合間に少しずつ、時には夜通し。
いやあ、面白いっすね、山崎豊子。とくに『女の勲章』は最高でした。
作中人物、銀四郎(映画を観たから田宮次郎で脳内再生)のふてぶてしさよ。美貌と口のうまさ、そして性の力で女たちを手玉に取り、支配し、事業を拡大させていく男。縁なし眼鏡の奥でいやらしく光る目。
全作品読んでしまいそうである。ときどき「なるほど!」と文庫に線を引く始末。もうこれ、勉強ってことで大目に見てもらえませんかね。

『接吻泥棒』の石原慎太郎

さきほど宝田明かっこいい~とか書いたんですが、プライムビデオで『接吻泥棒』を観た。ハイテンポで話が進むのが心地いい。まあ宝田明(ボクサー役である)が女にモテるモテる。交通事故で気を失った女の子に人工呼吸したところを週刊誌スクープされ、大騒ぎになるコメディ。
原作は石原慎太郎。そして本人役として石原先生も出演されておる。
最後、「俺は女は書けねえ」なんて言って飲み屋の暖簾をくぐる若かりし石原先生。なんか茶目っ気があっていいじゃない。印象がずいぶんかわりました。


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