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一般社団法人ワカツクを退職していました

ITベンチャーで働く新卒1年目。地方学生だった自分がNPOでのインターンで学んだことと考え方の変化、今の働き方とのつながり。

アポ先へ移動中、ふと携帯を見ると学生時代のインターン先の代表から連絡が来ていた。
「〜、手伝っていただけますでしょうか?」
いつだってそうだった。急に声がかかって、そしてそれが大概の場合オモシロそうと感じることだから、つい二つ返事で了承してしまう。そこから始まる小ボケ合戦。一瞬だけ仙台に帰ったような気持ちになった。

数週間前、Facebookをボーッと見ていてびっくりしたことも同時に思い出した。

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なんかいるじゃん。

Project Indexの該当ページにアクセスしてみる。

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俺じゃん。
これは第2回仙台若者アワードの最終審査当日の様子なので、昨年の12月の写真。髪色がキモいとかいう悪口は受け付けません(彩度上げすぎだからこう見えるだけのはず…)。

自分が学生時代に取り組んでいたインターンのPJ紹介ページが立派にアップされていた。写真の日から1年近くが経ち、このPJは次のインターンの子が引き継いでくれたのだが、WEB上ではあるけれども昨年よりブラッシュアップされている様子は追っていて、何もできていないけど嬉しくなっている山下です。
そして本番(最終審査)が来週の11/14(木)なんだそう。これ仙台の学生界隈のみんな絶対に損させないから遊びに行ってみてね!

さて月並みな表現だけど、時の経過が早すぎるとしか。そんなことを考えていたら、そういえば自分がおおよそ1年半のワカツクでのインターン経験の中で学んだことや感じたことを文章にまとめたことがなかったなと気づき、ちょうどいいタイミングだし書いてみよう。そう思って今に至る。

せっかくなんで退職エントリ風にまとめてみます。NTTからGAFAに転職しました系のキラキラ退職エントリではありませんし、ドワンゴの批判でもないので、ご注意を。

なんで入社したの

初めてワカツクを知ったのは記憶が正しければ、東北大のキャリア支援センターのWEBサイトだったはず。

当時の自分は3年生の7月(2年以上前!)。脳腫瘍の切除手術が終わったのが5月の頭で、それから溜まっていたエネルギーを発散するかのようになんの目的意識もなく「就活」の波に飛び込んでいた。退院明けで体力あるし、授業受けてないし、実家で暇だったんだな。
なんとなく選択肢の幅を広げたくて、いわゆる「難関インターン」と評される企業へ複数申し込んでいたはず。今考えれば就活マーケットの美味しい顧客になっていた、めっちゃ恥ずかしい。
それなりにいろいろ考えて行動してきたつもりだったんだけど、甘いってか表層的な考えしかないものだから、うまくいくはずもなく。いくつか参加はしたものの、東京の学生こえーよーってなっていたのが7月中旬?とかだった気がする。某広告代理店のインターンで、やたらみんなユナイテッドアローズやビームスとかでバイトしてる話を聞いて怖くなってた。いや、着るけど、ね。

ある日ソファーで寝っ転がりながら「東北大 インターン」で検索して、ヒットしたページを色々見ていたときに見つけたのが「一般社団法人ワカツク」。全く聞き覚えのない社名だが、複数WEBサイトをたどって見つけたのがprojectindexの「もっとオモシロイ学都仙台を作ろう」「仙台をもっと魅力的な街にする」そんなタイトルのインターンだった気がする。
学生団体とか意識高いだけの学生が集まる場所だと思っていたし、学生向けWEBメディアの1000プロは初めて読むし、半年間のプロジェクトとか書いてあるし(当時の自分は就職活動の一環ではなく、また半年間またはそれ以上の期間を費やすインターンシップの存在を知らなかった)で、そもそもプロジェクト概要がメディア運営とかなにそれって、意味がわからないことばかりだった。
でもなんとなく「今すぐ応募しなきゃ後悔する」そう思ったことは覚えている。惹かれた言葉はやっぱり「仙台」「街」「盛り上げる」あたりだったはずだから、その辺にテンションが上がるのは今も変わっていない。

そこからあれよあれよと初めてワカツク、もといファイブブリッジに足を踏み入れ(てしまう)のだが、最初の面談は一馬さんだったなぁ。会ったばかりのくせして偉そうに抽象的な理想論を語る自分に対して、同意しつつも具体に深掘りをされてうまく答えられず、若干悔しい思いをした。あとオフィスで「なんか飲みますか?」って聞かれて答えに困っていたら「あー、日本酒しかないわごめんね」って言われた。今なら「あざす!」って飲むけど、当時は引きつった愛想笑いをしてしまったような。でけーし、こえーよな。

結局の所、ワカツクで何かをやりたい!とか○○を実現したい!といった思いが応募の時点であったわけではなく、ノリとテンションとそれっぽい言葉で面白そうな方向へ走っていたら巡り合ったというのが正直なところだった。

やったこと


ワカツクはインターンシップ屋です。ここからは個人的な解釈なんだけれども、インターンというスキーム構築を解決策として、学生に対しては学外での挑戦の場を提供しつつ、地元企業に対しては組織課題解決の支援をしています。このインターンのコーディネートが企業体としてはメイン事業ですが、自分がメインで取り組んだのは、ボランティア活動をはじめ学生の活動支援事業、そしてこれに準じまる行政民間企業と協力した学生向けのイベントの運営事業の2つだった。

そのイベント運営というのがこちら、「仙台若者アワード」。仙台市内で活躍する若者の活動、特にボランティアをはじめまちづくり活動やその他社会貢献活動を中心とした活動を、年に一度、表彰するイベントである。価値ある若者の活動を価値あるものとして公に出す、継続することで街にそれら活動が溶け込む・携わることが当たり前になる、そしてそれらが街の「文化」となる。そんなビジョンを掲げてはじまった事業。ワカツクはじめ、仙台市役所とコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社の3者協働で実施しはじめて今年で3年目の事業だ。

社会人として働き始めて半年とちょっとの自分だけれども、このスキームがいかにすごいことか今ならわかる。売上に直結しないことにリソースを割くことができる企業がどれだけいるのかという話だし、目指すところも非常に定性的な目的地である、改めてすべての関係者を尊敬する。
まあ、そんな素敵な事業の中心の一人として活動をさせてもらっていたのが、時間で言う僕の大学生活の4割くらいだったりする。

学んだこと


①巻き込み方
ものすんごくたくさんの人に会った。
特に上述のアワードに参加団体として巻き込むために沢山の人に会った。会ったことはないが「これだ!」と一方的に思った人にオンラインからリアルでも声をかけて、自分がやろうとしていることの大義を語って、誘う。今思えばそれはまさに新しく事業を作るときの営業なんだけれども、当時はそんな事も考えられずただがむしゃらにやっていた。
ぶっちゃけ知らん人に「俺が作ってるこのイベントでない?」なんて声を書かけることは死ぬほど嫌だったし、というより恥ずかしかったし。ときに誘うことが目的になってしまって、不愉快な思いをさせてしまったこともあるだろう。
ただやっていく中で自然とつかめてきたものがあって。今も意識していることだけれども、自分が興味を持っていないない相手は自分に興味を持ってくれないということ。一方的に誘うのではなくて対象となる人間の興味関心によりそって、そのための手段としてアワードを提供しようと、そう意識しようとしていた。そして少しずつコミュニケーションがうまくいくようになったと記憶している。

そうそうこのときの出会いから今の職場での動きにつながることが起きたりもしている。助けてもらったりしている。

②課題解決フロー
一番インターンの中でレク・講義っぽく何度も聞かされたことがこれ。目的があって、現状との差分が課題で、課題を解決するための一歩ずつ歩んでいくマイルストーンが目標ですと。あるべき姿と現状との差分を一つずつ解決していくんだと。おかげさまで今の職場では、自分が同様の課題解決手法を口酸っぱく語っている。

③抽象的な目的へ立ち向かう方法
オモシロイ街を作るとか、挑戦できる文化を作るとか、最初はかっこいいと思ってインターンに取り組み始めたけど、みるみるうちに目の前のことで精一杯になってしまった。タスクをこなすことを最優先にし始めた。だって、それが楽だし、「処理」は得意だから。
でもそのたびに何度も「それはなんのためにやるのか、作業はするな」と厳しいFBをもらった。
意味がわからなかった。目の前に仕事があるんだからやるじゃんって。それが作業だと言われることの意味がわからなかった。
大きな目的に立ち向かい続ける方法は今でも分かっていないけれども、ワカツクではそのマインドの存在を教わった。色んな人と数限りなく議論をして、インプットをして、ようやくなんとなく分かった気がするくらいまでになれた。抽象度の高い目的に向かって、分解されたタスク一つ一つに取り組むこと。これが作業になるかどうかの境目は「そこに強い意志があるか」なんだろうと、今は思う。

行きたくないところに行くとかやりたくないことに挑戦してみるとかコンフォートゾーンから出てみるとか書けることはまだあるけど、なんかエモい話はこんくらいにしとく。

辞めたあと


結局の所大学3年の夏にインターンを初めて、卒業直前までいろいろワカツクに関わっていた。

そしてこの3月に卒業。今はとある東京のベンチャー企業でマーケティング支援、採用マーケティング支援をしています。実は出自が仙台の会社。やりたいようにわがまま言い続けてもそれらが尊重される環境で、へいこらへいこら言いながら働いています。
元来保守的、カッコつけがちな自分が今この環境を選べたことも、そしてそこである程度やれていることも、全てインターンの経験があったからだなと感じる。
価値あるものを価値あるものとして社会に出す。適切に市場に届ける。そんな力を身に着けたく、修行をしている。首都圏に遊びに来たら誘ってね。

ワカツクに興味のある方へ


ワカツクおよび周辺に集まる人々の中には「オッサン」がいません。
劣化するオッサン社会の処方箋という本を知っていますか?

まああの本はどうでもいいんです。

ここでいう「オッサン」とは、いわゆる「オジサン」と呼ばれる世代の人たち全員を指しているわけではない。古い価値観に凝り固まって、謙虚さや学ぶ姿勢を失ってしまった人たちこそを「オッサン」と呼ばれているのだけれども、まあ詳しくは本を読んでください。で、ワカツクにはその「オッサン」が一人とていない。


これってすごいことで、大学生だって周りを見るとここでいう「オッサン」の数は少なくないはず。でもワカツクには全員が新しいことに興味があって、自分と社会の未来に関心があって、なにかに挑戦をしている。そんな環境がある。だからあなたがもし少しでも「なにか新しいことをしたい」とか「少し挑戦をしてみたい」とかそういった気持があるならば、ぜひ飛び込んでみてほしい。環境はあるから。

以上、インターンシップOBからのコメントでした。

語彙力アップのための書籍代に使用します。もっと下らないことを言えるように。