見出し画像

知る人ぞ知る?!自然栽培で育つ植物に存在するある成分

こんにちは。
相変わらず時が経つのが早いと感じる今日この頃です。
毎日いかがお過ごしでしょうか。

私が暮らす北海道では、3月のこの時期はまだ雪が残っているため畑作業ができないのですが、ぼちぼち今年自給する野菜の計画を立て始めるタイミングにきています。ちょうど今くらいの時期に、今年はどこにどの作物をどれくらい植えようかな?と大まかな計画を立てます。そのためには、季節に応じた種まきが必要になるので、畑の区割りを考えたり種を調達して育苗の準備を始めたりしています。

ようやく雪もとけ始め、春に向けてワクワクする季節でもあります。

今年は、そこに去年収穫した米の揉みすり作業が加わりました。私の場合、脱穀も揉みすりもすべて手作業でやるのですが、これがなかなか大変で、先人たちの苦労に思いを馳せながらお米の粒と格闘しています。さらにそこに加えて、次の冬は糸紡ぎや機織り、編み物作業が加わることを予定していますので、ますます冬が充実していきそうです。

同時に、最近は化粧水やクリームなども自家製の手作りのものを使うようになったので、野草の摘み取り時期なども頭に入れながらスケジュールを組むようになりました。自家製の手作り化粧品に切り替えてからけっこう経つのですが、個人的には何の不自由も感じず快適に過ごしています。自分の肌に合わせて作るので、むしろ肌荒れがなくなりお金もかからなくなりました。

ただ、作る手間や知識、時間が必要になるので、そこをやりくりできるかや薬草や天然素材によるかぶれやアレルギーの知識や確認は必要になります。ですが1度ハマると思いのほか楽しくて、肌に合ったものが自分で作れるようになればますますこだわって継続するようになるんですね。

私にとってこうした作物や化粧品作りは、販売を目的としたものではなく、あくまで自家消費のための自給でありハンドメイドなので、知識などは自由に収集してマイペースに計画したり製作したりしています。けっこうこの「自由に氣楽に楽しむ」ということが重要だと思っていて、苦痛や煩わしさが伴ってくるとストレスになると感じます。

なので、根を詰めて取り組むというよりは、外で外食もするし、お店の野菜や食材、製品も適度に購入する氣楽さの伴う「自給」くらいがちょうど良いと最近は感じます。逆に、何もかも自分1人で賄おうとすると、誰かが作ったものに対してジャッジする心が芽生えたり、人への感謝や分かち合う喜びが薄れる氣がします。ここはちゃんと注意しておかないとマインドの落とし穴にハマっていくところでもあるように感じます。

さて、こんな感じでなるべく自然に調和した暮らしを目指しながら孤軍奮闘しているわけですが、自然栽培で育った野菜に存在するある成分のことについて今回はシェアしたいと思います。

「サルベストロール」という成分を耳にしたことはありますか?

イギリスを中心に海外では医療の分野でも注目されている成分なのですが、日本ではまだあまり知られていないようです。

自然界に自生するような植物であったり自然栽培などのオーガニック野菜や果物などに多く含まれる天然の成分なのですが、2002年にイギリスの研究チームによって、この成分がガン細胞を排除する働きをすることが発見されました。

このサルベストロールという成分は、人間の体内に入ると損傷を負った特定の細胞(つまりガン細胞)にだけ働きかけるそうです。この損傷を負った細胞にはCYP1B1と呼ばれる酵素が出現するのですが、サルベストロールはこの酵素によって活性化されることで傷ついた細胞だけを狙って体内から排除するといった働きをするそうなのです。なので、健康な細胞には影響はありません。

通常、植物はカビなどの病原菌が発生した際、その攻撃に対抗するために自らの生体内で物質を生合成します。つまり、生体がストレスにさらされた結果、自己防御反応が起こるわけですね。そういった働きをする生成物を総称して「フィトアレキシン(ファイトアレキシンとも)」といいます。そして、サルベストロールはこのフィトアレキシンの一種であり、ポリフェノールの一種です。

カビによって悪さされそうになると、それに対抗して徹底抗戦する成分を自ら作り出すパワーがもたらされるとは…。生命の持つ力って凄いですよね。前回のフリーラジカルの記事でも感じた「陰と陽」の相似性がここにも見つけられますね。笑

よく「自然栽培の野菜は腐らない」といわれますが、その理由はこの天然抗菌成分であるフィトアレキシンの働きにあるのだろうなと考えます。

ちなみに、サルベストロールに似た名前でレスベラトロールという赤ワインなどに含まれるポリフェノール成分があります。この2つはどちらもフィトアレキシンの一種ですが、異なる物質であり混同しやすいので分けて捉えた方が良いかもしれません。

このように、農薬などに頼らないで育てた植物からは天然の抗菌性物質が分泌されることがわかっています。よく柑橘類の表皮に黒い点々がみられることがあると思うのですが、これがサルベストロールによるものだそうです。一般的にはカンキツ黒点病とも呼ばれていて見た目が悪いので敬遠されがちなのですが、有機栽培のみかんなどには必ず発生するものだといわれています。

これは、真菌などのカビが発生したために、それに対抗しようとして抗菌成分であるサルベストロールを植物自身が生成した状態ということになりますので、農薬などが散布されたものにはカビが発生しないためにこういった斑点はみられません。スーパーなどに並ぶものは、こうした斑点のないキレイな表皮のものばかりかと思います。農薬を使用した野菜や果物にサルベストロールが生成されていないのはこういう理由のためです。

このように、野菜や果物の見た目を過度に氣にする消費行動によって、日本では農薬を使わざるを得ないという事情があります。昔に比べて現代の日本人はこのサルベストロールの摂取量が圧倒的に足りていないといわれていますが、その背景にはこのような事情があるのです。人間や動物など生き物にとって有益な成分をわざわざ排除しているわけですから、病氣は消費者である一人ひとりが作り出しているといっても言い過ぎではないと思います。

自然栽培や有機栽培で育てたオーガニックの野菜は、食べることで薬になるほどのパワーを秘めているということがおわかりいただけたかと思います。自然と一緒に生きるということは、自然から教わって「知る」ことでもあります。

そして、自然栽培で育てた野菜はとても美味しいんですよね。大げさに聞こえるかもしれませんけど、噛み締めるたびに幸福感を味わえるほどです。サルベストロールそのものは少し苦味を感じる成分だといわれていますが、自然栽培の野菜の美味しさって食べてみるとわかるのですが、甘みも感じれば苦味も感じます。ただ食べて美味しいということだけでなく、苦味などを含めても美味しいと感じるように思うのです。

これは、体が欲するような有効成分がちゃんとあるから「美味しい」と感じるのだと、そう思うんですね。

また、野生動物などは、そういった植物の力を借りて体の不調を治したり整えたりできることを本能的に知っているのではないかな?と思うことがあります。冬眠から目覚めたヒグマは、水辺に生息するミズバショウやザゼンソウを食べるそうなのですが、これは冬眠中に体内に溜まった毒素を排出するための行動だそうです。人間にとってミズバショウやザゼンソウは毒草ですが、ヒグマはその毒性を薬として利用しているわけです。賢いですよね。

そうやって、野生動物はどの植物を食べればどんな時にどういう効果があるのかを本能レベルで知っているのではないでしょうか。人間が農薬を使うことによって、地中に染み込んだ農薬は水に溶けてやがて川に流れ海にたどり着きます。農薬の溶け込んだ水は、海にたどり着くまでの間にいろんな生態系に影響を及ぼしますよね。川から大地に染み込んだ農薬によって、野生の植物に本来備わるべき成分が失われているとしたら…?遺伝子組み換えやゲノム編集された作物の種が、風に乗って自生し始めて大事な成分を作る機能を失ってしまったら…?いったいどうなるんでしょうね。

生態系のバランスが崩れて野生動物が不調を訴え病氣になる時、それは人間の仕業かもしれません。野生の猪のために空からワクチンをばら撒く奇妙なこの時代に、ふとそんなことを考えてしまいます。

サルベストロールは、カビが発生するような野菜や果物などの植物に自然に存在しています。つまり、自然栽培やオーガニックであれば、ほとんどの野菜や果物に含まれています。果物だとブルーベリーなどのベリー系に多く、野菜だとキャベツやブロッコリー、カリフラワーなどのアブラナ科の野菜に多いようです。

そして、もし店頭で黒い点々のあるオレンジやみかんを見つけたら、ぜひ積極的に購入してみてください。それが無農薬の証だからです。国産の無農薬レモンなどは、皮に点々がたくさんありますよ。塩レモンやはちみつ漬けなどにしてぜひ皮ごとありがたく食べましょう。

また、食糧危機の問題が言われていますが、こういった観点からもぜひ家庭菜園を始めてみて欲しいと思うのです。自然や植物は本当に多くのことを教えてくれます。初心者の人は、試しに苗から育ててみると良いです。雑草をボーボーに生やしたお庭の片隅にでも苗を植えてみてください。F1種ではない固定種の種から育てた苗であれば、種とりをすれば翌年にその種からまた育てることができます。

そして、自然栽培の野菜を自宅で育て、思う存分サルベストロールを摂取してください。体が変わると同時に、考え方や価値観なども変わりますよ。

自然栽培では、肥料はいりませんし水もほぼあげません。強いていうなら、草を刈り取ってその草を作物を植える場所に放置しておくだけです。そして、畝を作っておけば完璧です。虫や微生物がその刈り取った草を分解し、やがてそれが豊かな土壌へと導いてくれます。なので、定期的に苗に日が当たるよう周りの草を草刈り鎌で短く刈ってあげてください。

最初は失敗するかもしれませんが、失敗することで知識が深まり経験となって積み上がっていきます。そうやって作物と一緒に自分自身も育てるわけです。それが自然栽培のあり方なんですね。今回は、そんなお話でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?