生活とごはん(9月、半袖と長袖の間)
9月。夏の日があったり、秋の日があったりした。季節の変わり目には、髪の毛がよく抜けるので、なんとなく食卓に海藻類を増やす。
そんな9月のごはん。(知ってる。今は10月も終わりかけ)
9月某日
玄米、前日に作った鶏むね肉のハム、お味噌汁。ごはんにのせているのは、出汁をとったあとの昆布。コツコツと冷凍庫の端に貯蔵していたので、まとめて佃煮に。
お米は、近所のお米屋さんで買った玄米。近所にはお米屋さんが2つある。
地方の郊外で育った身としては、市民の憩いの場であるマンモスショッピングモールの食料品売り場ではなく、頑固一徹、お米しか置いていないお店で買うのが新鮮で、大体その2つの店のうちどちらかで買うようにしている。最近は専ら「DYIおじいちゃん」がいる方の米屋だ。
「DYIおじいちゃん」は、すごい。
店の前を通ると、かなりの確率で軒先で何かを作っている。主に木を使った椅子や踏み台(?)で、おそらく、次から次に生み出している。店の隅には作品がいくつか並んでいて、実際に使用されたりしている。
春の終わりごろに「DIYおじいちゃん」の店でお米を買ったときは、大きなタケノコと巨大で甘い玉ねぎをお裾分けしてくれた(自作の椅子ではなかった)。
味をしめた私は、またそのお店へ行って「どうも~」とのれんをくぐった。
期待を裏切らないおじいちゃん、よこしまな気持ちでいっぱいな私に、手作りの竹のお箸と、孫の手をプレゼントしてくれた。
孫の手の絶妙な曲がり具合は、竹を熱湯につけて調整するらしい。「DIYおじいちゃん」の職人っぷりを目の当たりにして私は小躍りした。
店の奥は居間のようになっており、ご家族の方がこちらに目もくれずに黙々と作業していた。私はおじいちゃんにありったけのリスペクトの念を送った。家の中でもどうかおじいちゃんの作品たちが活躍していますように。
9月某日
自炊のコツは、自分の基本の型を持つことだ、と尊敬する人が言っていた。私の最近の型は、もっぱら納豆ごはん。+αで卵もつけたりつけなかったり。自分でやっているのはごはんを炊くくらい。でも、ベースは常に納豆ごはんで、もし余裕があれば具沢山お味噌汁も作るか、くらいの気持ちでいると、なるほど自炊のハードルがどんどん下がる。
9月某日
この日の魚はカマス。梅干しは自家製。初挑戦の梅干しは、しょっぱすぎて酸味なのか塩味なのかわからないレベルのものができた。食べると舌が痺れ、目の下はピクピク痙攣するという劇物のような代物。来年ははちみつも一緒に漬けてみようと思う。
9月某日
またまた基本の型を守って納豆と卵。実家の佐賀から送ってもらった海苔がたくさんあるので、海苔は贅沢に使える。
海苔とごはんの相性については、年をとればとるほど奇跡のように思えてくる。海の幸と里の幸を掛け合わせてしまうなんて、もう…特許とっていたら今頃発想者の子孫は大変なことになっているよ、、と余計な心配もしつつパクパクごはんが進んでしまう。
9月某日
自分でもおどろくほど型に忠実。再び卵と納豆ランチ。飽きないのかと思うけれど、これが意外と飽きない。前日のおかずの残りとかお漬物がセットであれば、万々歳くらい。
「今日は家にあまり食材が無いから外食しよう(ウキウキ)」
という隙も与えないシンプルごはん。納豆と卵があるやろがい、と冷蔵庫から言われてしまう。
9月某日
風向きが大きく変わり、パンプレートランチの日。ホワイトコーンスープは北海道からのお裾分け。珍しくクロスも敷いてみた。
だけどキュウリと人参は、前日とほぼ同じ。
キュウリは生で食べるだけではもったいない。炒めてもジューシーで美味しいと知ったのは1年くらい前。ちょっと焦げるくらいまで焼くのがいいと思う。その焦げっぽい匂いが、いつものさっぱり系のキュウリの印象を大きく変えてくれる。いつもがさわやかバレーボール部系だとしたら、焼いたキュウリはワイルドラグビー部系だ。
なんてことをイチイチ考えながら食べているわけではないけれど、とにかく焼いたキュウリの意外な美味しさにはまっている。
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