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地域の人がその土地の魅力に気づく場面に寄り添いたい。原点である気仙沼へUターンして実現したい幸せな暮らし。

「ふるさと食体験の準備室」インタビュー、第13回目は畠山千怜さんです。

東京で働いたのち、地元の気仙沼にUターン。現在はおばあさまが残した家で友人とシェアハウス生活をされている畠山さん。気仙沼で過ごしていた学生時代より、さらに現在気仙沼に愛着を持って生活しているそうです。地元の魅力に気づいたきっかけや現在どんな活動をされているのかについてお聞きしました。

気仙沼で衣食住に関する複業中

――まずは現在に至るまでの活動をお聞きできればと思います。気仙沼にUターンされたきっかけはなにかあったんですか?

今住んでいる家はもともと祖母が住んでいたんですけれども、祖母が亡くなって空き家になり、なにか良い形で未来に引き継ぎたいなと思ったのがUターンしたきっかけです。いつかは地元に帰りたいという気持ちはあったんですけど、タイミングをずっと悩んでいたんです。今はリモートワークでいろいろな場所で働けるようになったので、じゃあもう行っちゃおうかなと半ば勢いで今年の5月に帰ってきました。

――そうだったんですね。そのときにお仕事を辞めて、フリーランスになられたんですか?

そうですね。ようやくそれまでの仕事をやめる決意ができ、一度仕事は辞めて、気仙沼に来てからまずはフルリモートができる別の東京の会社で有償インターンとして関わりはじめました。でも、やっぱりもっと地域との関わりが持てる仕事がしたいなって思ったんです。インターン先にも事前にその気持ちは伝えていたのでそちらも退職をしました。

今は、地元の方が手編みでセーターを作っている会社のお仕事や、地元の飲食店さんのSNSのお手伝いやお店での接客。あと気仙沼の隣の町で知り合いの方が農園を営んでいるので、そこでの作業を手伝ったり。気仙沼にUターンしてみて、学生にいたときとは違った景色をみるようになりました。お仕事をさせていただきながら、じぶんとこの地域との関わり方をひとつひとつ編んでは解いている最中です。できるだけ気仙沼の人と関われる仕事をしています。できるだけ気仙沼の人と関われる仕事をしています。

――地元でのお仕事を大事にされているんですね。そうした活動をしながらキッチハイクに参加されたきっかけは? 

もともとはサービスのユーザーだったんです。2018年6月くらいから、キッチハイクはユーザーとしてサービスを使っていました。当時のキッチハイクでは、自分でご飯会を開けるサービスがあって、私はその主催者側で利用しました。

その中で、キッチハイクで今働いているメンバーとも出会ったりして。

――親しい関係になっていったんですね。その繋がりもあって、現在のキッチハイクメンバーから「ふるさと食体験やりませんか?」と声をかけられたのでしょうか。

そうですね。もともと大好きなサービスだったのですが、ふるさと食体験がはじまってからさらに、わたしのやりたいことだ!と思って、もっと関わりたいと思いました。キッチハイクが地域の魅力を見つけて、それを届けていくところに共感したんです。

今は、ふるさと食体験のイベント当日のアシスタントや、、SNSを通じて参加者さんとコミュニケーションをとっているので、一番参加者さんに近い目線で関わっているメンバーなんじゃないかなと思います(笑)。最近ではもう少し企画段階からも携わりたいという気持ちもあり、ふるさと食体験のディレクター業務にも関わらせていただいています。

――参加者目線もある畠山さんにはぴったりですね。畠山さんから見て、キッチハイクはどんなメンバーが多いですか?

自分自身はもちろん、目の前の人を幸せにするぞって気持ちが強い、本当に良い方たちですね。すごく考えてくれる人たちですし。時代の変化があっても、その時々のサービスで世の中を幸せにできるんだって、全力で信じてやっている人たちだなっていう印象があります。みんなキッチハイクのことがすごく好きですよね。

発信することで自分の地域を好きになっていく

――ふるさと食体験に関わってみて、どうですか?

私自身、地元をより好きになったきっかけが外の人に向けて地元を案内したことだったんです。ふるさと食体験でも同じように、イベントを作り上げていく過程で自治体さんが自分の地域のことをより好きになってくれているっていう感覚があります。そういう機会があるっていうのは、自治体さんたちや現地の人にとっても良いことだなって。

――なるほど、発信することで地元への愛着が増していくんですね。畠山さんはどんな発信をされたんですか?

わたしが地元への愛着を持つようになったきっかけも、高校生のときに地域外の方々に向けて気仙沼をめぐるツアーを企画したからでした。当時、私のまわりの友人たちはあまり地元のことが好きじゃない子が多かったんです。遊ぶ場所もないイメージがあって、でも、そのツアーを仲間とともに作り上げていく過程で気仙沼の魅力をたくさん知って、今まで見落としていた魅力に気づいたり、地元の色々な良さをより感じるようになりました。

そのツアーは「恋人」って言葉をキーワードにしていたんです。「恋人」っていう単語を近代短歌で初めて使った人が気仙沼出身の人だったので。恋人の聖地を巡るツアーとして、その歌人が生まれた家の日本庭園や、お気に入りの気仙沼の観光スポットをうまく恋人と絡めて、を楽しく回れるルートを考えました。そうすると、そこに住まわれている方が「面白いね」って言ってくれたり、私たちの支援をしてくれたりしていて。新聞にも取り上げていただいて、私たちが何も介していない状態で観光客の方が恋人スポットを訪れてくれるようになったんです。それがすごく楽しかったし、自信につながりましたね。

――その地域の人自体が地元を好きになることってすごく良いですよね。

自分の住んでいる地域は全然ダメだってマイナスな思考になるのではなくて、好きだって思えるようになることは幸せなことだと思うんです。ふるさと食体験でも、イベント時に地域の方が感動して涙を流してくださる様子をみたことがあります。その気持ちは、わたしもすごくわかるなと思いました。

その場所を好きになってから行くと景色が変わる

――ふるさと食体験のイベントに関わる中で、特に印象に残っている地域はありますか? 

いっぱいあるんですが、特に南伊豆町は何度もイベントをやらせていただいていて、オンラインイベントをやった後に現地に行ける機会があったんです。

地元の方にいろいろアテンドしていただいたんですけど、本当に南伊豆町が好きなんだなって気持ちがすごく伝わってきて、皆で飲みに行ってもずっと南伊豆町の話をしているぐらい。すごく良いなって思いました。そうした人もまた、ふるさと食体験の魅力を支えてくれているのだと思います。

――先ほども畠山さんは衣食住の仕事に携わってるとおっしゃっていて、ふるさと食体験も「食」を深く掘り下げていると思うのですが、畠山さんご自身にとって、食に対してこだわりはありますか?

日常生活ではあんまりこだわってはないんですが、やっぱり食は大事なものっていう認識があります。私自身は割と孤独に陥りやすい人間なんですよ。自分一人でいろいろ抱えこんじゃうし、かといって一人でいるのも好きだし。でもそれ以上にみんなでご飯を食べるとすごく楽しいし、終わった後もとても幸せな気分になれるので、食を通して自分以外の誰かと関われる機会を意識的に作れたらいいなと思っています。

私は人見知りなのもあって何もない状態で他人と話すのが苦手なんですが、一緒にご飯を食べていると会話が特段弾まなくてもなんとなく良いなと思えるんです。もちろん弾んだときもめちゃくちゃ楽しいですが、ご飯が美味しいだけでも居心地のいい距離感になる気がして。

食事を通して、大切な人を考える機会を作れたら

――食事をしながら話すと緊張感が和らぎますよね。畠山さんは気仙沼で「シェアテーブル」の活動をされているそうですが、その考え方がベースなのでしょうか。

そうですね。食事が1日3回あるとしたら、その中の1回を他の人のことも気にかけられるきっかけとして誰かと一緒に食べるといいんじゃないかって思っています。自分のことだけ考えてると行き詰まっちゃうこともあるけど、他の人のことを考える時間を作ると自分の時間もうまく使えるようになるなって。そういう機会を作りたくて考えたのがシェアテーブルです。食卓をみんなで囲む場を作って、地元の人と交流する取り組みを考えています。

――シェアテーブルを、どんな方と囲みたいですか?

私の祖母が一人で亡くなってしまったことがショックで、それもあって1日に1回でも大切な人を考える機会を作れたらなと。今までお世話になった人など、地域の年代問わずいろんな人を呼べたらいいなと思っています。

あとはシェアテーブルと並行して「お裾分け」のサービスも進めています。シェアテーブルに来れないような一人でお家に住んでいる高齢の方に向けて、自分ができる範囲でですが、ご飯を作ってお裾分けをお家まで届けします。

――素敵ですね!おいしいご飯をお裾分けしてもらったら活力になりそうです。今後の展望はありますか?

まだまだこれからですが、気仙沼では今ある仕事をお手伝いしているような立場ではあるので、やっぱり自分で仕事を作っていきたいという気持ちがあります。自分の暮らしている生活の延長線上でできることをしていきたいですし、自分のその近くにいる人と楽しく幸せに暮らしたいですね。そのために必要となる部分に、自分が手助けできたらいいなと。

あとはみんなが喜んでお金が回っていく仕組みを作れたらいいですね。そういう人がどんどん増えていったら、幸せにできる範囲が相対的に増えるんじゃないかなと思っているので。そういう生き方をしている人の1人になりたいです。

畠山 千怜(はたけやま ちさと)
2021年1月から参画。
「ふるさと食体験」のイベントアシスタント、SNSでユーザーさんとコミュニケーションを取りながらキッチハイクの世界観の発信を担当。
2021年4月に東京の会社を退職し、5月に地元である宮城県気仙沼へUターン。プランドハプンスタンスをモットーに、地元気仙沼で地域との関わりが持てる仕事に携わる。祖母の残した一軒家で友人と暮らしながら、地域の人たちが集まれる拠点づくりを準備中

<趣味>
ドライブ

<好きな食べ物>
お餅、春菊、餃子

<暮らしの変遷>
気仙沼、仙台、 東京、気仙沼

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