2018.1.5


「2日くらいさ、人とまともに話さんかったら脳みそ溶けるよな。」
「うん、まあ。言わんとしてることはわかる。」



確かにそうだ。彼のいうことは確かだ。
決してアルコールやドラッグなんかではなく、ふと脳みそが溶け始める頃合いがある。

それは、夕暮れの電車。母親にすこしの制止をされながら、それでも外を見ようとする少年を見たときが、わたしの場合はそうだった。




いわゆる大都会から、実家の方へ向かう。
二回、乗り換える。その度に人が減っていく。まるで取り残されたよう。窓の外に茶色が増える。枯れた小さい森のようなもの。




枯れたり、溶けたりする。
悲しいことじゃないけれど、確かに何かが失われている。
悲しいのは、悲しいのは、
その失われたなにかが、なにかわからないことでありました。






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