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2024/2 バンコククエスト Ⅲ:そしてバンコクへ…

前回のまとめ

ようやく飛行機に乗り込みタイ語の洗礼を浴びたジョースター一行。

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本編

窓際席は若気の至りでしかない

長時間のフライトを快適に過ごすコツ。それは、通路側に席をとることである。「景色を見たい」と窓際の席を取ったが最後、尿意と「うーん、この人寝てるしなあ。でもトイレ行きたいんだけどどうしよう」という思いやりの板挟みに悩み続けることになる。

偉そうなことを言ったが、今回の座席は、もちろん窓際だ。なぜか。旅行初心者過ぎるころにチケットをとったからである。「景色を見たい!」その一心である。あの頃僕たちは若かった。新宿三丁目のあのせまいディスコティックで僕らはよく始発電車がうごくまで、かたり合ったもんさ。

というかさ、離着陸の十数分以外、ほぼ雲じゃん。景色なんて見えないじゃん。しかも夜のフライトじゃん。よく考えればいいのに。新幹線感覚で席を取ったが最後なのだ。飛行機は。

全艦スリープフォーメーション

タイ国際航空の便が羽田を出発したのが日付変わって0時過ぎ。目的地の着は5時ごろ。寝るっきゃない。寝るっきゃないのだけど寝られるわきゃない。取りあえず全艦スリープフォーメーションの号令を出し、座席を倒したり靴を脱いだりした。この靴を脱ぐというのは非常に重要だ。以前のスペイン旅行でずっと靴を履いていたところ、バルセロナのホテルに着いて何の気なしに靴を脱いだら気絶しかけた。その後も旅程の至る所で靴の中に思いを馳せて嫌な気持ちになった。

野原ひろしってそんなに足がくさいのか? と思っていた幼心に答えたい。お前もいい勝負できるぞ、と。なんならひろしは「頑張っている証なんだ」とか言い張っていた。筆者はがんばってもない、旅行でそんなことになっているのだから野原ひろし以下である。そうならないために、ブランケットの袋などを足場にして、その上に足を置くのが筆者のおすすめである。

スリープフォーメーションに入ったはいいが寝られない。もし読者諸氏の中に、エコノミークラスで快適に……とまではいわずとも、睡眠を続けられる体勢やコツをご存じの方がいれば伺いたい。

飛行機でどうやって寝る? 時間は? 彼女は? おすすめの姿勢2選! 

筆者が今のところベストプラクティスとして編み出しているいくつかの方法を紹介しよう。

1)電車カップルスタイル
その名の通り、電車でカップルが相方の肩に寄りかかって寝るように、横の座席よりも自分の座席を深く倒し、横の座席側面をまるで恋人の肩かのように考え、頭を預けるスタイルである。
これは結構いい。飛行機で寝る際は頭のやり場に困りがちだ。だからみんな便座みたいな枕を使う。以前機内で中身のビーズを爆散させて以来トラウマとなった筆者は、便座枕に頼らずに寝るスタイルを構築する中でこの形に辿り着いた。ただ、相手が筆者に負けず劣らずの強欲者で席を倒すことに躊躇がない場合、この作戦は使えない。

2)ものののけ姫スタイル
もののけ姫といえば、「張り詰めた~弓の~」である。このスタイルは、張り詰めた弓のごとく、ブランケットを天幕のように張って寝る。
まず、ブランケットを頭からかぶり、端っこを全て体の下に巻き込む。そして、顎を天に向けるようにして頭でブランケットの張り具合を調整する。すると、ブランケットに体が包まれて、かつ顔とブランケットの間にすき間ができるので、息苦しくもない。そして暗い。さらに、ブランケットの張力によって頭も固定される。3割15本くらいは打てるほどに、頭の位置が固定される。
ネックは傍から見ると完全に「寝ている人」なので、機内食チャンスを逃すことであろうか。

まあ結局こんなことをしても横になるに越したことはない。大して寝られず、かといって機内タブレットでゲームもできず、ちょこちょこタブレットで『M-1はじめました。』を読み進めた。映画とかドラマとかいろいろあるが、結局機内タブレットで楽しいのはゲームだ。以前、ホームラン競争みたいなゲームがあって上位20位を全て自分が占めるまでやり込んだ。

機内の食事

機内ではまず、離陸してそこそこでツナバーガーがサーブされた。なぜツナなのか。なぜハンバーガーなのか。全く分からない。なぜかインド人の額みたいに赤ポッチがあるのも分からない。
しかもチーズの存在感が結構デカい。ツナバーガーというよりチーズバーガーだ。こりゃ。深夜に寝ようとしたタイミングでこの見た目は「飯テロ」とかいう次元ではなく、シンプルに胃もたれする。日中にちゃんとしたコンディションで食べたらしっかりおいしいレベルのものであったことは間違いない。

深夜にはヘビーすぎるチーズバーガー

しかし乗り換えがないってのは楽なもんだ。だらだらうとうとしていると、機内食のアナウンス。おそらく2種類あったはずだが、筆者の前の座席でひとつ売り切れたのか「Chicken Sausage?」とだけ聞かれた。お客様はチキンソーセージじゃありません。と返すわけもなく、うーんまあしょうがないか、と「Yes.」と答えて出してもらった。

内容物はチキンソーセージ、オムレツ、ハッシュドポテト、ローストトマトのメイン。さらにクロワッサン、国産ヨーグルト、フルーツ、水。この中でチキンソーセージがメインといえばメインだが、サイズ的にも冠メニューになるほどではないような。「コンチネンタルブレックファスト」とかの方が近い気がする。味はそれなり。何より飛行機で提供される水のうまさ。五臓六腑に染み渡るとはこのことか、と思わされる。

機内食。謎に国産ヨーグルト

腹ごしらえをすると、眠気もなんとなく消え、表示される地図を見ながらバンコクが近付いてきたことを思い知る。そして現地時間5時半ごろ、ついに飛行機はバンコクへと着陸した。

着いたッ! 第一部完!

★編集部からのお知らせ
次回からバンコク編が始まります。

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