魚を食いに三崎へ

暇なので三崎に行ってきた。筆者は無類の魚好きである。魚は新鮮な方が当然にうまい。したがって漁港で食うのがよろしい。そんな短絡的な考えだ。

自宅から車を走らせること2時間ほど。8時に家を出て高速を使い、2時間ちょいで到着した。土曜日なのにあまりにも街中に人がおらず心配になる。潮風が強く、心をさらに荒ませる。今回の目当ては「くろば亭」。マグロの珍味などが有名な店である。

開店は11時で、店前に着いたのは10時40分ごろ。受付表があり、6番目だった。道路を挟んで店の逆側には待合室があってありがたい。マグロの頭の剥製やら、お土産の食品などを売っている。

開店前には解体ショー

11時ちょい前になると、店の前でマグロ頭部の簡単な解体ショーが始まり、人だかりができてきた。目玉や頬肉、喉肉やトロに近い「ハチ」なる部位を見事に捌いていくとともに各部位の説明が入る。単に赤身やトロを食べにきた人でも「この後食べてみよう」と思う素晴らしい仕掛けだ。

解体ショーが終わると受付リストから呼び出し。運良く1巡目で入店できた。マグロの刺身定食と、地魚の刺身定食(各2200円)、さらに3種類選べる珍味盛り合わせを注文。喉肉、ハチ、心臓を選んだ。

店内は居心地の良い居酒屋といった感じで座敷卓がおよそ20席弱、カウンターが10席弱ほど。定食以外にもメニューが豊富で、マグロの部位を紹介するポスターなども眺めていたら、マグロ刺身定食から提供。間も無く地魚定食も。

マグロはビンチョウ、大トロ、中トロ、赤身が2〜3切れずつ。大トロ以下はたぶんメバチマグロ。それにご飯と味噌汁、切り干し大根的な煮物と、漬物。

冷凍とはいえど侮るなかれ

三崎に行く前は、流通しているマグロが冷凍物だと聞いていたのでややハードルが下がっていたが、それを軽々と超えてくる。

個人的にマグロ、というか刺身で何よりも重要なのはまず、身の締まり。水っぽいと一気に臭みを感じてしまう。それとともに旨みや味も抜けてしまう。たぶん。

その点、解凍が完璧になされているのか、いずれの刺身も水気を感じることがなかった。マグロも牛肉も基本的に赤身しか食べない筆者だが、大トロ・中トロもおいしく食べられた。嫌味な脂がなく、あっさりとしている。裏を返せばいかにも「トロ」な味を求める人には物足りないかもしれない。

地魚はブダイ、アジ、イワシ、カツオ、マグロ赤身、ブリとかだったと記憶している。こちらは妻が頼んだので筆者はおこぼれのイワシとカツオしか食べていないが、マグロ同様に文句なし。マグロ・地魚定食ともに2200円でこの内容は、観光地ということを考えるとかなり良心的といえるだろう。

珍味、いざ実食

各定食に舌鼓を打ち終えるころに珍味盛りが到着。まずは最もクセのありそうな心臓からいただく。白い部分は豚のガツよりやや柔らかい感じで、最初はそんなに味がしないのだが噛み締めるとマグロの旨みを感じられてくる。特に臭みはない。つまみなどに良さそう。生姜醤油が合う。

血合いのような部分は、やはり血合いのような味。通常食べる血合いの味がより上品になり、クセが6割減したくらいのちょうどいい塩梅。食感は歯切れ良い。

お次はハチ。定食の大トロ・中トロよりもトロらしい。解体ショーで話していたが、中トロにつながる部位らしく、脂乗りヨシ。口の中でとろける、ほどではないが噛むと口溶けはよろしい。

のど肉はコリコリ、というほどではないが赤身より歯ごたえがある。馬肉のような感じ。解体ショーでもそんなことを言っていた気がする。味は赤身そのもの。これが一番気に入った。

筆者はおかず一口で米を食う量、すなわちOPR(おかずperライス)が多い異能力者なので、これほどの刺身を前にご飯一杯では足りずにおかわり（110円）。それとともにマグロクリームコロッケ（660円）を頼んだ。マグロクリームコロッケは、うん普通。クリームコロッケとしてうまいけど、マグロ感はそこまでない。

まあ筆者が紹介するまでもなく有名な店だが、フツーの刺し身だけでなく、マグロを余すところなく食べたい人にはおすすめできる。みさきまぐろきっぷの対象でもあるようなので、筆者のように車ではなく電車で行く人にもおすすめ。

人生初の三崎。お目当ての店で満足にマグロを食った筆者だったが、この後に意図せずマグロはしごすることに。そちらの店は別記事で紹介します。

余談：くろば亭以外に寄ったスポット

ミサキドーナツ

県下にいくつか店舗を展開しているドーナツ店。普通においしい。

三崎マグロ 三浦市の産直品売り場 うらり

地場の食材を売っている。ロケで訪れた有名人たちのサインがずらり。その中に『幸田露伴は動かない』とかいう面白過ぎるミスを発見。