ネットでこういうことを書くのは色々と怖いので、最初に書かせてください。これは私個人の言葉であり、誰かを貶めたり、共感を強いたりするためのものではありません。

ただし、共感してくれる方を求めてはいます。なんらかのメンションをしてくだされば見に行きたいです。
知識不足で間違った認識をしていることがあるかもしれませんが、そちらはコメントなどでご指摘いただけると幸いです。

一生懸命勉強している私としなかった美人たち

私は1994年生まれの25歳です。私達の世代が小中学生だった頃、一斉を風靡していたテレビ番組がありました。
その名は「クイズ ヘキサゴン」。最初は六角形（ヘキサゴン）型のテーブルに座った頭脳自慢の回答者が単純な頭脳戦あり心理戦ありのクイズバトルを繰り広げる番組だったと記憶しています。

それがいつの間にかお笑い芸人やタレント、アイドルなどが参加して、大して難しくもない問題にチャレンジしていく形式になっていきました。（おそらく視聴率が芳しくなかったのでしょう）
クイズ番組からバラエティ番組になったと言えば見ていない方にも伝わるでしょうか。

そして、バラエティ番組になったこの番組は遂に「番組内ユニット」として特に人気のあったレギュラー陣を売り出し、多くのCDを発売しました。
番組自体が人気だったことや今は芸能界を退いた島田紳助氏が歌詞を書いたことなどが話題となり発売するたびランキングに登場していたのを覚えています。
その中でも人気だったのが、珍回答を繰り返す方たちを集めたユニット「Pabo」（女性3人）、「羞恥心」（男性3人）でした。

正直に、端的に言います。私は「Pabo」の歌が大嫌いでした。

特に、というかこの曲が本当に無理で当時は聞く度に眉をしかめていました。

チンプンカンプン元気よく　チンプンカンプン可愛くネ
背伸びした女の子より　ちょっとおバカな女の子

私は今も昔も、可愛い女の子ではないと思っています。
それは容姿にしても内面にしても。
そして、進学校を出て国立大学を卒業したのでそれなりに勉強してきましたし、別に頭は悪くないだろうと思います。

この歌はそんな私の小中学生時代、つまりなんだか分からないけれど「将来」のために一生懸命勉強している時期にテレビや街で毎日のように聞こえてきました。
私は、自分が頑張ってしていることを否定されたような気がしていたのです。

「遺伝子の都合でかわいく生まれた女の子は勉強できなくってもいいんだ〜♪勉強なんて男に負けないように背伸びするためのものだよ♪」
この歌はそんなメッセージを彼女たちから聞かされているようでした。

でも、今なら分かります。これを歌っていたのは彼女たちではあるけれど、歌わせていたのはオッサンであると。
（可愛くネの「ネ」だけカタカナなのも寒気がする…）
「女にバカでいてほしいオッサン」がこの歌を作り、そんなオッサンに溢れているテレビ業界が平気でこんな曲を流していたのです。
おそらくですが、現在こんな歌が発売されたら炎上するのではないでしょうか。

大きくなった今に聞きたいのは「羞恥心」

「Pabo」とほぼ同時に出た男性３人ユニット「羞恥心」の代表曲「羞恥心」は旧世代的な価値観はそのままに、だけどなんとなくいい感じの曲になっています。
これ、男性にとっては呪いのような言葉の羅列な気がしますが、作詞したオッサンはその呪いをポジティブに受け取っているので勇気づけられる曲になっているというか。
私は男性としての抑圧を受けたことがないので、ここについては深堀りしません。

「頭の悪さ」を良いとも悪いともせず特徴の一つとして歌詞に織り込む「男性版３バカ」（口は悪いですが分かりやすいと思うのでこう書かせてもらいます）と、「頭の悪さ」をかわいさというものを支える良いものとして書く「女性版３バカ」の、その差も当時の私にはショックでした。

ただ、大人になった今言えるのは人生において頭を適切に回すことは大切だし、あのとき一生懸命勉強した私は何一つ間違っていなかったということです。

そして、今当時のモヤモヤを吐き出せる潮流にあるというのも喜ばしいことです。よかったね、私。

「羞恥心」の中には好きな歌詞もあります。

パワーはいつも　どんなときも　負けやしないさ

今日もこの歌詞を胸に刻んで筋トレに励むのです。
え？コロナで今日から行きつけのジムが休み？
なら家で夫を背負ってスクワットしておきます。

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