99匹も愛して1匹も愛する



もっと丁寧に人を愛したい

『今目の前にいる人を世界で一番大切な人だと思って接しなさい』って
お気に入りの神父が言ってた言葉を
いつでも心に留めているつもりでも
時々"大切にするってどうゆうことだ"
って思ってしまう時がある

なんの取り柄もない自分が
あなたの道具として生きていこうと決めたのはいつだったっけ

毎朝起きると
私は話を聞いてもらうことを望んでいる人のところへ行く
わりとフットワークは軽いから

慰めの言葉を求めている人のところへ行って
優しい言葉をかける
私は言葉が喋れるから

抱擁が必要な人がいたら
躊躇うことなく私は抱きしめる
腕が2本あるのはそのためだから

微笑みが必要な人も
いつでも呼んで欲しい
あなたはわたしにいつでも笑顔でいられる強さを与えてくれているので


今日はどんな人に出会うんだろう
きっとあなたはわたしにその人を愛することを望んでいるのだろう

でも、もっと丁寧に人を愛したい

そう思うのは
愛したい人が増えて
ひとりひとりを丁寧に愛することができていない
と感じるから

誰ひとりとして、見落としたくないのに

厳しく叱ったあの子のことも
誉めそびれてしまったあの子のことも

ちゃんと愛したいのに

"自分は愛されてる"って感じられるほど
愛したいのに


1匹の迷い羊の例え話を思い出す
きっと羊飼いも同じ気持ちだったのかな

100匹いるうちのたった1匹がいなくなって
探しに行く気持ちがすごく良くわかる

わたしも誰ひとりとして取りこぼしたくない
ちゃんと全員掬い上げて
ひとりひとりを見たい
愛したい


丁寧に愛するってどうゆうことだろう
大切にするってどうゆうことだろう
時々やっぱり分からなくなる時があるけれど

「あのね…」

そう誰かが声をかけてきたら、私は手を止めて、その人の目を見て話を聞く


私があなたの道具として生きようと決めて
どれくらいの年月が経ったのか分からないけど

愛さなきゃ
じゃなくて
愛したいって思う心は
オプションでつけてもらったものじゃなくて
実は誰でもみんな持っているもの

正直
あの人のことでさえもあなたは愛するの?
って思い悩むこともある

結局愛し方がわからなくて
逃げ出してしまうこともあるけど

私がいなくなってしまった後でも
他の誰かがあなたの愛に倣って
その人のことを愛してくれれば
それでいい



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