02 ピンキーリングが似合う貴女へ
とても聡明な10歳年上の上司。
ふわりと心の中の弱いところを見せて、導いてくれた。
そんな貴女へ。
歳は離れているけど、似ているところがあるような気がする
と、声をかけて頂いた。
食事を始めて最初の会話、
「誰かとつるむのはやめたほうがいいよ、うちの職場」。
いきなり何の警告だろう、つまらない愚痴かしらと身構えたけれど
それに続いたのは、正義感のある彼女らしい話だった。
彼女の感じる正しいことと他人が感じることのギャップ。
ヒソヒソと思い思いのことを好き勝手に話すギャラリー。
そして、彼女を守るために忠告してくれる人たち。
前の職場で正しいとする働き方は、私の理想と全く違っていた。
何よりも許せなかったのが、誠実でないことだった。
何が正解なのか、何を信じたらいいのか、よくわからなくなっていた。
こんな状態で働くことも、不誠実だと感じた。
彼女の考え方は一貫していて、透き通っていて、
混沌としている私の頭の中を、浄化してくれたようだった。
貴方と似ているところがあるような気がする、と言われたが
私にはその素直さも、ピンキーリングの似合う雰囲気も、柔らかな強さもない。
でも、少しずつ分けてもらえたから、私の中でも育つだろうか。
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