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お金と資本と投資の大切な話。

長いので三行。

・労働で資本は増えない
・資本を増やせるものに投資することが大事
・ゆえに自己投資は最強

はじめに

お金について真剣に考えることがあまりないまま、社会人として働き出して10年くらいが経とうとしています。

その中で、大手企業の社員、スタートアップの社員、会社の立ち上げの支援、フリーランスでのいろんな会社の支援、はたまた、会社を作っての短期M&Aなど、働くこと、お金を稼ぐことに関しては様々な経験をすることができました。

10年も経つと、いろんな差が出てきます。莫大な資産を築いている人もいれば、いまだに新卒の時のような仕事をしている人、都会ではなく田舎での生活を選ぶ人、体調を崩してリタイアを余儀なくされた人など様々です。

そんな自分といえば、そこそこ貯金はあるものの一生遊んで暮らせるような余裕なんて全くなく、一年くらい仕事をしなかったら詰んでしまうような状態です。

他方で、同い年どころか年下の方でも、数億円どころか数十億円以上の資産を築いている人もたくさんいます。

この差はなぜ生まれたのでしょう。そこを真剣に考えた時に出てきたのが、お金と資本と投資についての話でした。

そのまえに、まずはお金について考えるきっかけとなった会社員時代の話をしたいなと思います。

会社員時代のモヤっと感

お金について考えるようになったきっかけは、会社員時代のモヤっとした気持ちでした。

「自分が頑張って何かをやったら会社は儲かるけど、自分の給料が増えるわけでもない」

この世の中の当たり前を起点として、色々と考えるようになりました。

そこから数年経った時に思っていたことは、「自分が生み出した成果は会社に帰属するけど、自分には給与以外何も残らない」ということでした。

会社にとって意味のあることでも、自分の人生においては無駄だなと、素直に思ってしまったのでした。

会社で働くことでのメリットとして、給与以外にも「成長」できるといったこともありますが、そんなことよりも「無駄感」にひたすらモヤっとしていました。

そんなモヤモヤを考えていると、このお金と資本と投資の話になりました。

念のため書いておきますが、わたし自身は経済の専門家でもお金の専門家でもありません。あくまでも、実体験をベースとしたお金の話で、専門的な話とは多少乖離があるかもしれません。そこはご了承ください。

お金って何なんでしょう。

まずはじめに「お金」という概念について考えてみたいと思います。

お金がなかった時代に人々はどうやって生活をしていたかといえば、「物々交換」によって欲しいものを手に入れる生活をしていました。

ここでのキーワードは対価です。

物々交換の前提は、「相手が欲しいものを自分が持っている」ということに他なりません。自分が欲しいと思うだけでは成立せず(暴力によって奪うということはもちろん可能ですが)、相手が欲しいものを自分が持っている必要があります。

とはいえ、どうしても欲しいものがあるにも関わらず、交換相手の欲しいものを自分が持っていなかった時にどうすれば良いでしょうか。

ここで出てくるのが、お金のもととなる概念です。「あなたの欲しい物の代わりにこれで勘弁してくれよ!」といって、何かを渡すのです。

そしてその何かは、「他の何かに交換できるもの」という属性を持っていることが前提となります。つまりは、「自分はあなたの欲しい何かを持っていないけど、あなたの欲しいものを持っている人とこれを交換してくださいよ」ということです。

とはいえ、自分が与えた「何か」は、本当に他の何かと交換可能なのでしょうか?これがわからない限り、相手はそれを受け取りたいとは思うはずがありません。

そこで出てくるのが、何かに対する権威づけという話です。偉い人や国といった第三者によって、その何かには価値があるということを承認し、権威づけしてあげるのです。

この権威づけによって、その何かは「一定の範囲内で交換可能なもの」として扱うことができるようになります。つまり、これがお金の始まりです。

そしてこのような、お金を利用して物の購入や販売を行うことを中心とした活動の総体を、貨幣経済と呼びます。

まとめると、下記のようにいえるでしょう。

お金とは、第三者によって権威づけされた他の何かと交換可能なもの。

他の何かに交換可能だからこそ、お金を持っていることに意味が出てくるのです。他方、不要だと思っていたものもお金に変換できるようになり、物質的な所有から解放されるという効果もお金は持っているわけです。

さてここからは、お金と似たような概念である資産についての話をしようと思います。

資産って何だろう。

社会で生活していると、「資産運用」だとか「資産になる」だとか「土地は資産だ」みたいな話がよく出てきます。とはいえ、資産というものは漠然としていて正直よくわからないものでした。

この資産とお金って何が違うんでしょう。

ひとことで言えば、「お金および、お金に変換可能な何か」のことを総称して「資産」と呼びます。

なので、お金そのものも資産ですし、売ればお金になる「車」や「家」なども、もちろん資産です。

他方、売っても1円にもならないようなゴミだったり使い古されたモノなどは、資産と呼ぶことはできません。お金に変換できないからです。

資産のことはなんとなくわかってきたように思いますが、資産と似たような言葉である「資本」とは何かという疑問がそろそろ出てきた頃かと思います。

そこで、お金の話をする上で一番大切になる「資本」についての話をここからはしていきたいと思います。

資本とはなんぞや。

所有しているだけで何らかの価値を生み出す可能性のある何かを総称して「資本」と呼びます。この何らかの価値は資産に限りません。

たとえば、建物を持っていて家賃収入が月々発生する場合、その建物は資本と呼ぶことができます。また、工場にある設備なども、設備を稼働させることで価値を生み出すことは自明なため、資本と呼ぶことができます。

他方、スーパーで買った野菜を持っていたとしても、通常時は資本とはなりません。野菜を所有しているだけでは何も価値を生み出さないからです。

つまり、価値を生むかどうかが資本かどうかの分かれ目となります。

資産と資本の関係

資産と資本は、基本的にはイコールではありません。なぜなら、お金に変換可能な資産であったとしても、何らかの価値を生み出さないケースは山のようにあるからです。

さて、資産と資本はどのような関係にあるのでしょうか。まずは土地を例に考えてみたいと思います。

土地は貸し出したりすることで収入を得ることができるため、資本と考えて良さそうです。他方、土地は売ることができることが多いため、資産とも考えられます。つまり、土地は「資本であり資産」でもあります。

次に、本は資本なのかという問いについて考えてみたいと思います。

本があったところで通常はなんらかの価値が生み出されることはありません。そのため、本は資本とは言えなさそうです。他方、古本屋等でその本を売ることは可能なので、本は資産といえそうです。つまり、通常の本は「資産であり資本ではない」といえます。

ここで、サイン本などの一定のプレミアがつくケースを考えてみたいと思います。

サイン本などは(部数や著者にもよりますが)、将来的な価値の向上が見込めると考えられます。そのため、同じ本であったとしても「資産であり資本である」といえそうです。

ここまでをまとめます。

・資産とは、お金および、お金に変換可能な何かのこと
・資本とは、所有しているだけでなんらかの価値を生み出すもの
・土地などは「資産かつ資本」と呼べるが、消耗品などは通常は「資産だが資本ではない」

資産ではなく資本を手に入れる

ここまでの話から考えると、資産ではなく資本を手に入れることで、「何もしなくてもお金が手に入る」状態が作れるようになりそうです。

逆をいうならば、仕事で稼いだお金をいくら「資産」に変えていったとしても、将来的に何もしなくてもお金が手に入る状態にはなりません。(消耗品である服をいくつ買っても資本家にはなれませんよね。)

そのため、いかにして資本を手に入れるかという戦略が非常に大切になってきます。

よくある資本化の例としては、下記のようなケースでしょうか。

・土地をたくさん持っていて不労所得を得ている地主
・株の配当だけで生きている投資家

なかなか羨ましいですね。とはいえ、通常はそれらの「資本」を手に入れるためのお金を持っていないので、これらは夢物語のように思えてしまいます。(そのお金があるならば、すでに不労所得を得られるウハウハな状態ですよね!)

それでは、お金があまりないケースにおいて、どのようにして資本を手に入れれば良いのでしょうか。

ここからは、消費と投資の話をもとに、資本を手に入れる手段の話をしていこうと思います。

消費と投資

消費とは、「資産を利用して資本以外の何かを手に入れる行為」だと考えています。つまり、お金を払って消耗品や食材などを購入する行為などは「消費」と考えられます。

たとえば、100円を払ってにんじんを手に入れて今日の夕飯でにんじんを使ったら、そのにんじんは胃の中に消えて消費されてしまいます。消費されてしまった後は、何の価値も残りません。つまり、支払った100円はどこかに消えてしまったわけです。これを、消費と呼びます。

他方、投資とは下記の二つの行為をさすと考えています。

・何らかの手段によって資本を手に入れる行為
・すでに保持している資本の価値を向上させる行為

わかりやすい例は、お金を払って賃貸用の家を手に入れる行為です。1000万円で1000万円の家を手に入れその後誰かにその家を貸したとしたら、毎月幾らかの収入を得ることができます。また、その家自体の価値が上がるケースも考えられます。(もちろん、価値が下がることもありますが)つまりは、賃貸用の家を持っているだけで何らかの価値が生み出されていきます。

また、リノベーションなどによって家の価値を向上させることができるケースもあるでしょう。この場合、誰かに貸し出した際の収入を向上させることができ、また、その家を売却した時の価格も向上させることができるでしょう。

つまりは、家を買うという行為は、家という資本を手に入れるための投資であり、かつ、リノベーションなどの家の価値(つまりは、資本の価値)を向上させる行為も投資であると考えられます。

投資の手段

上述の例では家という資本をお金で手に入れるというわかりやすいケースでした。

さて、資本を手に入れる手段はお金だけなのでしょうか?だとしたらすごく辛い世界だなと思いますが、幸いなことに資本を手に入れる手段(=投資の手段)は4つあります。

その4つの手段を下記に記します。

1. 資産と資本の交換
2. 新しく資本を生み出す
3. すでにある資本を育てる
4. 資本を生み出すものを育てる

それぞれ簡単に説明していきます。

1. 資産と資本の交換

一番わかりやすいのがこのケースです。上述のような、お金と土地の交換や、お金と株式の交換などがこのケースにあたります。世の中一般でいう投資というとこのイメージが強いのではないでしょうか。

要は、資産を持っている人が資本を手に入れてさらに強くなるといった行為です。お金がお金を生むというやつですね。一般人にはあまり縁のない世界です。

さて、ここから先の3つがお金がなくても資本を手に入れられる行為です。一般人としてはここから先を極めていきたいなと思う次第です。

2. 新しく資本を生み出す

例えば、木を切ってきて船を作ったとします。木だけでは何も価値を生み出さなかったとしても、船を誰かに貸したり、船を自分で操縦して誰かをどこかに運べたりしたならば、船はたくさんの価値を生み出すことになるでしょう。

つまり、このような木から船を作る行為は投資と呼べ、将来的に価値を手に入れるための大切な手段になり得ます。

現代風にいえば、会社を作る行為などがこれにあたります。会社を作り、世の中に価値を提供し続けられる「仕組み」を作ることで、会社という「資本」を作り上げることができます。

現代において何もない状態から資本を手に入れる一番早い方法は、会社を作ることだと個人的には思っています。とはいえ、普通の人にとって会社を作って資本化していくことは難しく、敬遠されがちな手段であることは事実でしょう。

3. すでにある資本を育てる

次に、資本を育てるケースの話をします。資本は新しく手に入れるだけでなく、育てていくことも投資の手段だといえます。

例えば、上述の船にキッチンを作ってディナークルーズができる状態にしてしまえば、普通に船に人を乗せるよりも多くの価値が生み出せるかもしれません。また、先ほど挙げたリフォームの例などもこのケースにあたるでしょう。

ただ、資本を育てるためには何らかの資本を持っていないといけません。そのため、どうやって最初の資本を手に入れるかということが大切になってきます。

何かしらの手段でお金を稼いで資産を蓄え、資産と資本を交換することで資本を手にすることが一番簡単な手段に思えますが、本当にそれだけなのでしょうか?

4. 資本を生み出すものを育てる

資本がなく、さらには資本に変換可能な資産もない時にできることは、お金を稼いで資本に変換可能な資産を増やすことだけなのでしょうか。ここには明確にNoを伝えたいと思います。

例えば、プログラミングを勉強して継続的にお金を生み出すアプリケーションを開発できたとしたらどうでしょうか?

つまり、資本を生み出すもの(この場合は自分自身ですが)を育てることで、結果として新しく資本を生み出していくことが可能になります。

ここまでをまとめます。

・投資には4つの手段がある
 ・資産と資本の交換
 ・新しく資本を生み出す
 ・資本の価値を増やす
 ・資本を生み出すものを育てる
・資本を生み出すものを育てることで、ゼロからでも資本を作ることが可能になる

資本家と労働者

さてここで、資本家と労働者の話を「経営者と従業員」を例にお話ししていきたいと思います。

上述のように、会社を作るという行為は「新しく資本を生み出す」行為に他なりません。つまりは、会社の社長(や、株式を持っている経営陣など)は一種の資本家といえそうです。

他方、毎月お給料をもらっている従業員はどうでしょうか?お金という資産は毎月増えるかもしれませんが、資本が増えることはありません。つまり、労働者を続けていくだけでは一生かけても資本家になることはありません。(もちろん、お給料を貯めて資本に変換することで資本家の仲間入りをすることはできますが。)

ところで、資本家である会社の社長はなぜ従業員を雇うのでしょうか?わざわざ懐を痛めてお金を従業員に支払ってまで、なぜ従業員を雇うのでしょうか?

これまでの話を踏まえて考えればストンと腹落ちすると思います。それはもちろん、自分の資本である会社の価値を「従業員の力を使って」向上させたいからに他なりません。

雑な言い方をすれば、従業員は資本家の資本を増やすための手段に他なりません。

ここで一番最初の私のモヤっとしていた話に戻りますが、従業員である自分自身がいくら働いたところで、自分の資本が増えることはほぼなく、会社という資本、つまりは会社の持ち主(多くの場合は株主)が幸せになるだけです。

資本がたまりやすい仕事

従業員としていくら働いたとしても、通常は自分自身の資本が増えるわけではありません。だからといって、従業員対資本家の構図が悪いとは思っていません。

結局のところ、資本家になるためのリスクをとったのが資本家であり、リスクを取らずにお金という将来資本に変換可能な資産を手に入れることを選んだのが従業員であるため、そこには個人の生き方の差があるだけだと考えています。

とはいえ、現実的な話としては「資本がたまりやすい仕事」と「資本がたまりにくい仕事」があるのは事実です。

ここからは、だれかの職業選択の参考になればと思い、資本がたまりやすい仕事についてお話ししていきます。

私が考える資本がたまりやすい仕事は下記の2つです。

資本に変換可能な資産をより多く手に入れられる仕事
資本を生み出す何かを作るスキルが身につく仕事

資本に変換可能な資産をより多く手に入れられる仕事

わかりやすくいえば、高給取りな仕事です。お金という資産をたくさん手に入れることができるため、将来的に資本への変換が簡単に可能になるからです。

「迷った時は給料の高い方」というのは真理だと思います。

資本を生み出す何かを作るスキルが身につく仕事

今でいえば、エンジニアの仕事などがこれにあたると考えています。その仕事を通じて手に入れたスキル自体が資本を生み出すことに直結するため、仕事で手に入れたスキルを使って自分自身で資本を生み出すことができるようになります。

つまり、仕事をしてスキルアップをすることで、将来的に資本を生み出せる可能性が上がるといったところです。

他方で、あまり職種名を出したくはないのですが、同じ専門職である美容師の仕事はどうなのでしょうか。高いスキルが必要な仕事であるものの、髪を切った結果が資本になることはなく、美容師を続けていて資本が溜まっていくことは通常はありません。(もちろん例外はあり、美容師のスキルを資本に変えていくことは十分に可能です)

そのため、資本を増やすという観点だけをみるならば、現代においては美容師よりもエンジニアの方が良いというのは事実と見て良さそうです。

何に投資していくか?

さて、ここまで長々とお金と資本と投資についてお話ししてきました。

世の中で広く一般に言われる「自己投資」が大事という言葉が身にしみて感じてくる頃ではないでしょうか。

私自身は、「自己投資」という言葉が非常に嫌いであり、「自己投資?何をいっているんだこいつらは。。」と思っていたタイプの人間です。

とはいえ、お金と資本と投資について真剣に考えた結論は、「自分に対して投資していくことほど効率の良い投資はない」というありきたりな、そして自分が一番嫌いだった結論でした。

結局のところ、「新しく資本を生み出す」ことでしか、多大な資産を持つ資本家になることはできません。とした時に大事なのは、その資本を生み出すことのできる能力を持っているかどうかに他なりません。

ここでいう能力には、自分自身のスキルもそうですし、何か困った時に手伝ってくれる仲間の存在なども含みます。

自己投資と向き合う

自己投資が大事という結論となってしまいましたが、自己投資とは具体的に何をすれば良いのでしょうか。

ここは正直なところ私にはまだわかりません。

本を読むことが自己投資だといった話がよく出てきますが、個人的にはあまりピンときていません。わたし自身、過去に数千冊以上の本を読んできましたが、だからといって何かがあったかといえばそんなことはありません。

どちらかといえば、自分の自由な時間を作って「自由に遊ぶ」ことの方が大切に思えています。

Googleでいう20%ルールではないですが、普段の仕事や生活とは違う何かを行うことが、何か新しい価値を生み出すことにつながっている気がします。

自分自身の例だと、大企業に勤めて週5日働いていた時は、サービスを作ろうと思って口に出していただけで何もできませんでしたが、フリーランスになって週休4日くらいの生活をしていると、なぜだか自然にサービスが生み出されていました。

つまりは暇だったからですね。

でも多分、これが真理だと思っています。余裕を持つこと、暇になること。そしてその余裕の中から生み出された何かの行動が他の人との違いを生み、結果としてそれが自分にとって一番良い投資になるのではないでしょうか。

おわりに

自分が今まで考えてきたお金と資本と投資についての話をやっと文章にすることができました。尻切れとんぼみたいな結論になってしまってアレではあるのですが、また何か生きている中で新しい発見があればお伝えしていければなと思います。

自由な時間って、やっぱり大事だと思います。こんな趣味のような文章が書けるわけですから。

そんな暇人のアカウントがこちらです。よろしければ是非。

P.S. 本当はもっと書きたいことがあったのですが、そこはそのうち。。

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