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就業規則を読むことのススメ(特に新入社員の方へ)

利用規約ウォッチャー みなしボウイです。

この記事をアップする本日は日曜日なのですが、4月という時期柄、就業規則について少し触れてみたいと思います。noteの読者層は平均年齢が高いという噂も聞いているのですが、特に新入社員の方へ届くと良いなと思っています。


安心安全にお勤めいただくために、最後までよろしくお付き合いください。


企業に雇用されて働くということは何を意味するのか?

釈迦に説法で申し訳ありません(特に大学で経済学を学ばれた方)

雇用とは、労働者が使用者に対して労働に従事することを約束し、使用者(企業)がその労働に対して報酬を与えることを内容とする「労働契約」のことです。ここで言う労働契約とは、労働者が自己が持つ労働能力を一定条件(時間・価格)によって使用者へ使わせて、使用者はその労働能力を消費して生産活動などを行い、そこから得た利益の一部である貨幣を賃金という名目で労働者に払うことによって成立します。

雇用されるということは、あなたの労働能力を一定条件内で会社へ使わせているだけなのだということです。あなたのパーソナリティや肉体、人生はあなたのものであり、その所有権をわずかたりとも会社へ渡している訳ではありません。確かに会社には指揮系統であったり従属関係はありますが、それは業務遂行上の都合によるものです。

気持ちの問題はどうなるのか

単に金を稼ぐではなくて、人生を豊かにするために働くであるとか、素晴らしい出会いをしたいとか、そういった気持ちでご入社されることは悪くないですし、基本的に会社側もそれを望んでいるはずです。ただあくまでベースにあるのは「雇用」であり「労働契約」です

このベースを逸脱したとき、幸せになれない状況が訪れます。ベースの逸脱は、若手社員だけではなく、長年勤めてきたベテラン社員と企業の間でも起こり得ます。私もこういったケースを見てきましたし、私自身にも経験があります。


労働条件通知書と就業規則の関係性

労働条件通知書

ご入社されるまでの間(新規採用の場合はおそらく内定時)、企業側から「労働条件通知書」(企業によっては「雇用条件通知書」や「雇用通知書」とも呼ぶ)の交付を受けたのではないかと思います。使用者が労働者を雇用する際、労働者に対して労働条件を明示することは、労働基準法第15条で義務づけられています

厚生労働省 モデル労働条件通知書

就業規則

就業規則について、企業側からどういった説明を受けているでしょうか?「働く上でのルールだよ」くらいに言われているかもしれませんが、これは労働契約における契約条件に含まれるものです。前述の「労働条件通知書」を見ればわかりますが、「詳細は就業規則第◯条に定める」と記載されていると思います。

企業側は、就業規則(そして就業規則の中で定義されている賃金規程労働協約なども含む)をベースとして労働条件を定めて労働条件通知書を交付します。

就業規則を読んだほうが良い理由

労働条件通知書と就業規則は、セットではじめて意味のあるものになります。ですので、就業規則にも目を通すことが必要です。私は個人的には、内定時点で就業規則も内定者へ開示されているほうが良いと思っていますが、そういった企業ばかりではないということも現実としてはあります。入社したら全文読むべきだと思います。

配属ガチャ」に代表される労働者と使用者のミスマッチは、入社前に最低限の情報しか開示されない現状の裏返しにあります。就職活動している側からすれば、入社前にあれこれ企業側へ確認することには抵抗感があるでしょうし、どういった点を尋ねればミスマッチが起こりにくいのかを予見しにくいところもあると思います。

企業側からの進んだ情報開示があることを望みたいですね。私の経験則としては、中途採用が主体のベンチャー企業ほど内定時の情報開示に積極的ではあります。勤める側の経験値も高いですからね。


トラブルが生じた時、基本的には知識や情報のある側へ有利に働きます。誰かの力を借りたいと思った場合でもそれを有効にするには、知識や情報は前提になってくると思います。

キャリアや年齢、業務上の従属関係にとらわれることなく、知識や情報を身につけて、感情に溺れずに生きていきたいものです。

今回は、このあたりで終わります。ありがとうございました。

なお本投稿における、発表内容は発表者個人の見解に基づくものであり、本投稿にて取り上げられている組織及びサービスの公式見解ではありません。

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