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汐留 - イタリア街

(※写真10枚)

イタリア映画の巨匠、フェリーニの晩年の作品を見ると、長年の盟友ニーノ・ロータの不在がどれほど大きいかを痛感させられる。音楽が映画に与える影響は大きい。

僕はときどきヘッドホンで映画のサントラを聴きながら写真を撮る。サントラを聴きながらファインダーを覗くと、そこから見える景色が変わって見えるんじゃないか、映画のような美しさを帯びて見えるんじゃないか、なんて割と短絡的な発想から始めたことだ。

今日は「パリ、テキサス」のサントラを聴きながら。

イタリア街なんだからそこはニーノ・ロータちゃうんかい!というのは実に的確なツッコミなのだけど、残念ながらちゃんとした音源を持っていなかった。。。今から思えば「トリコロール 青の愛」のサントラの方がまだ合っていたような気がする。あの欧州統一の曲が好きなんだ。

「パリ、テキサス」の冒頭とラストに流れるライ・クーダーの印象的なスライドギター。あの名曲「Dark was the night」が盲目のブルースマン Blind Willie Johnson のカバーであることを、同じくヴェンダースの映画「ソウルオブマン」で知った。それは僕がブルースという世界に入り込む大きなきっかけになった。

U2 は「パリ、テキサス」をイメージして、あの名盤「Joshua Tree」を制作したと言われている。正直なところボノも U2 もそれほど好きじゃないけど、あのアルバムは別格だ。そういえば僕が初めて観たヴェンダース作品「夢の涯てまでも」の音楽も確か U2 だったような気がする。

日本のバンド、シアターブルックの「幸せと踊る時」の間奏に使われているサンプリング音声「About what? ... Yes, I know that feeling...」は「パリ、テキサス」のナスターシャ・キンスキーの声だ。初めて聴いた時は興奮して、これ気付いている人いるのかな、とネットを調べまくったけれど見つからなかった。

音楽が映画に生命を与え、そして映画がまた音楽を生み出していく。そんなことをぼんやりと考えていた。

見える景色が音で変わる。写真に音は宿らないけれど、撮っているときの感覚が変わるのが面白い。音楽は映像に強く作用することを実感できる。

休日の汐留はとても閑静で、意外とライ・クーダーの静かなギターが違和感なく馴染むように感じられた。

今夜はバーボンでも飲んでみようか。



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