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【映画鑑賞記録】パラダイスの夕暮れ

「マッチ工場の少女」に続き、カウリスマキの労働者三部作を観ている。

「過去のない男」「街のあかり」「マッチ工場の少女」でも感じたことだけど、「異性との触れ合いに慣れていない」男女の情けない描写が絶妙にぐっとくる。本作の主人公も良い年したオッサンなのに少年のような瞳をしている。どうやって演出したらこんな演技になるんだろう。

この作品は音楽もいい。Albert Collins 多めなのがぐっとくる。Elmore James とか John Lee Hooker とか、主人公がブルース好きの設定のようですな。

オチは正直ピンと来ない展開だった。めちゃくちゃ俗っぽい括り方をするなら限りなくハッピーエンドに近いのだろう。僕はエンディングがハッピーかバッドかは余り気にしないタイプで、ストーリーの流れとして自然であればどちらでも構わない。ただこの話はハッピーで締めくくってほしいなという思いがあった。「結局世の中金なんかい」というところに落ち着かなくてよかった。

「結局世の中ゼニですぜ、アニキ」なんて、美学の欠片も感じさせない生き方や価値観には全く興味が無い。

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