見出し画像

哺乳類の瞳

以前、4年ほど前になるだろうか。初めて手にした望遠レンズを持て余し、被写体探しに苦慮した挙句、上野動物園の年パスを購入して通ったこともある。象も猿もプレーリードッグもハシビロコウも、もはや撮り飽きた被写体だ。

でも今の自分なら、あの頃とは別の撮り方ができるかもしれない。どうせ撮影の予定もないし、久しぶりに乗り込んでみるか、と軽い気持ちで足を運んだ上野動物園。

今になって気づいたことは、結局被写体が人であろうと動物であろうと、やっぱり「瞳」が重要なんだということ。「瞳が何かを物語っている瞬間」を捉える。だから今時のカメラは動物相手でも「瞳AF」なんて機能が働くのだろう。

そういう意味では、ハシビロコウは造形の特異さという点では面白いけれど、瞳に感情が全く反映されていない(ように見える)ので物足りない。怒ってるのか笑ってるのかハッキリしろや、と言いたくなる。それがこいつの魅力でもあるのだろうけど。

その観点で言うと鳥類は全般、瞳による感情表現が乏しいのかな、という気もする。昔、鳥を飼うのが趣味という女性と付き合ったときに「鳥にも表情がある」という話を聞かされたけど、まだ僕にはそれを感じ取る能力が足りないかな。

実際のところ、目を見てこいつらが何を考えてるのかなんてわからない。一枚目のクマなんてこんなつぶらな瞳で、単なる捕食対象として我々を見ているだけかもしれない。

でもまだ哺乳類の瞳には、分かり合えそうな何かを感じるんだよな。

ところで会社に爬虫類を飼うのが趣味という男がいて、学生時代も生き物系のサークル?に入っていたらしい。聞けば「爬虫類派」「両生類派」「哺乳類派」などの派閥があるらしく、「女の子は哺乳類好きがやっぱり多いですね」なんて言ってたことを思い出した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?