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読書に親しもう

ひっっっっっっっっっっさしぶりに本を読んだ。
3ヶ月ぶりくらい。

先日ちょっとしたきっかけがあって、2日で3冊の本を読んだので紹介する。


1, くまの子ウーフ(神沢 利子)

「は?いきなり舐めてるだろ」という感じだが、ぼくが本を読むきっかけとなったのは、子どもたちに本を紹介する、ということ。
普段、日本語に触れる機会が少ない子どもたちに、日本語の本を紹介するために、まずは自分で読んでみたということである。
noteのタイトルの「読書に親しもう」は子どもたちへの呼びかけの言葉。

この本は小学校低学年の児童に紹介する。

児童文学の名作なので、読んだことがある人も多いと思うし、ぼくもたぶん読んだことがあるはずだ。
でも、内容は忘却の彼方にあり、改めて読んでみたところ面白かった。

優しい両親と愉快な仲間に囲まれた子ぐまのウーフが、いろいろな発見をしたり、いろいろなことを考えたりしながら成長する話。
例えば、「いつ卵を割っても、常に中身が同じなのはなぜか」といった感じで、大人になると「当たり前」で済ませてしまうようなことでも、ウーフは不思議に思う。
深い。とても深い。

大人になると、自分が幼かった頃に考えていたことはすっかり忘れてしまうが、この本を読むと子どもは誰もが哲学者なんだなと思う。

小さい子ども向けの物語を書く人の着眼点や感性は素晴らしいと、児童文学を読むたびに驚いてしまう。


2, びりっかすの神さま(岡田 淳)

小学校中高学年におすすめ。

著者の岡田淳さんは小学校の教員をしていた方で、小学校を舞台にしたちょっと不思議な物語をたくさん書いている。
彼の著作は、巻末の解説や書評などにおいて、宮沢賢治を引き合いに出されることが多い。
素朴な語り口で淡々とストーリーが展開する一方、ファンタスティックなエピソードがごく自然に描写される。それが、岡田文学の魅力である。

例えば『びりっかすの神様』では、主人公の木下始が、転校初日の教室で羽の生えた小さな男が飛び回っているのを目撃するシーンから始まる。
始は最初は驚くものの、すぐに受け入れて、その妖精のような男が何者なのかを突き止める。
その後、始はクラスメートにも小さな男の話を打ち明ける。
始は「信じてくれないかもしれないけど」と前置きをするのだが、話を聞いた子どもたちはすんなり受け入れるところが面白い。
『くまの子ウーフ』にも通じるところだが、「当たり前」とか「ありえない」と決めつけてしまわないところが、児童文学の特徴であり魅力なのかなと思う。

この本に関しては、書きたいことがいろいろあるが、長くなってしまうのでここらへんでやめておく。
岡田さんの本は、大人になってから読んでも、というよりも大人だからこそ考えさせられるものが多いので、皆さんにもおすすめです。


3, 百年泥(石井 遊佳)

第158回(2017下半期)芥川賞受賞作。
これは中学生へのおすすめ。
やや難しい内容だが、それでも生徒に勧めたい理由は冒頭の一文で明らかになる。

「チェンナイ生活三か月半にして、……」

我らがチェンナイが舞台の小説なのである。

100年に一度の大洪水で露出した川底の泥から、いろいろなものが出てきて、それをきっかけに主人公の女性が自分の過去を回想するという物語。
ジャンルでいうとマジックリアリズムに分類される小説で、日常をベースにしながらも、泥の中から人間が出てきたり、空を飛んで出勤したりといった非日常的な描写が随所に織り込まれている。
現在のシーンと回想シーンが連続して書かれており、どことなく幻想的な雰囲気である。

著者は2019年頃(詳細不明)までチェンナイに住んでいたようで、その時の経験をもとにこの本は書かれている。
ぼくも今の生活をもとに、本を書いてみようかしらとちょっとだけ思った。




久しぶりに本を読んでみたが、読書の面白さを改めて認識しましたとさ。

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