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『Maidaan』

監督:Amit Sharma
出演:Ajay Devgn など
公開:2024/4/10

実話に基づいたヒンディー語映画。

インドで有名なスポーツといえば、何を思い浮かべるだろうか。
圧倒的に人気なのはクリケット。
そのほか、国技のような扱いを受けているフィールドホッケーとカバディ。
路地や空き地では、バドミントンやバレーボールに興じる子どもや若者を見かけることもある。

さて、この映画のテーマはサッカー。
今となってはインド国内で影の薄いサッカーだが、かつては「アジアのブラジル」と呼ばれていた黄金時代があり、当時のインド代表を率いたSyed Abdul Rahim監督をAjay Devgnが熱演していた。

サッカーインド代表の黄金時代(1950~60年代)
1951年のアジア大会で初優勝。1952年の夏季オリンピックに出場するもユーゴスラビアに惨敗。1952年から1955年にかけて、小規模なトーナメントに出場して4回優勝。1956年の夏季オリンピックで4位入賞。この大会は、オリンピックにおけるアジア初のセミファイナル進出であるとともに、アジア初のハットトリックも記録している。1962年のアジア大会で2度目の優勝。

Wikipediaをもとに要約

1952年の夏季五輪で、1-10と大差をつけてユーゴスラビアに敗れるシーンから映画は始まる。
この時、インド代表はまさかの裸足でプレーしている。
大会後のサッカー協会の会議で、Ajay が「敗因は裸足だったことだ!」と分析していて、そりゃそうだよなという感じ。
これ以降、インドサッカー協会はブーツの着用を義務付けるようにしたらしい。

この映画、単純なスポ根映画かと思っていたら、どちらかといえばインドサッカー協会の組織内政治だったり監督自身と家族の関係といった人間関係が主軸で描かれていた。
インドサッカー代表の物語ではなくて、あくまでも監督の物語だということだ。

映画のラスト30分くらいは、2度目の優勝に輝いた1962年アジア大会の再現シーンで、ピッチで選手たちが躍動する姿が大きなスクリーンで映された。
ゴールシーンやスーパーセーブのシーンでは劇場内でも歓声や拍手が上がって、本当のサッカーの試合を見ているかのような臨場感があった。

この映画がどこまで史実を再現しているのかは不明だが、愛煙家だった監督は肺癌に侵されてたようだ。
アジア大会の決勝戦で選手たちが奮闘する中、ベンチでは監督が立っていられないほど激しく咳き込む姿が映し出される。
実際、この大会でインド代表が金メダルを獲得した9か月後に、Syed Abdul Rahim監督は他界している。

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