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流氷の旅 1日目

「流氷を見に行こう。」

去年の暮れにピーチの飛行機のセール情報を見つけ、突然思いつきで、そのままチケットと宿を予約した。自分でも驚きの衝動買い&行動力だと思う。

カメラ一つ抱えて流氷を見に行く。写真家の幡野さんの影響でカメラを買った。中古のカメラで結構いい値段だったけれどカメラを持って一人で旅に出ることはもちろん初めてだ。でもカメラを持って行ってほんとによかったと思う。

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翌日の予定が楽しみで眠れなかったのはいつぶりだろう。朝一番の電車に乗って空港へ向かう。あまりすっきりしない天気の中で、通勤電車の中で僕だけがただ一人、旅の装いをしていた。乗っていた空港行きの電車にはほとんど人がいない。時節柄当然といえば当然かもしれない

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女満別空港行きの飛行機はほとんど満席だった。ほとんどがお年寄りで若者は2割ほどしかいない。この時期暇なのは大学生とお年寄りくらいなのだから当然といえば当然だ。楽しみすぎて眠れなかったせいでで飛行機の中の2時間ほとんど寝てしまっていた。隣の女子大生二人も爆睡していた。前日楽しみで寝られないのは自分だけではないのかもしれない。そんなことを考えながらまた寝た。

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飛行機から降りると寝ぼけた頭が一気に覚める。スマホを見るとマイナス2度の表示。これが北海道か、、北の大地に来たと肌で感じる。

バスに乗って網走の市街地に向かう。天気はあいにくの曇り。流氷は明日見に行く予定だから今日は曇りでも仕方ないなと思いながらバスの窓の外をずっと見ていた。

バスを降りて数歩、足先が冷たいなと思って足元を見る。普段のスニーカーを履いていた。完全に来る靴を間違えたと反省する。滑らないようにペンギンみたいに小さい歩幅で歩き続けなければならなかった。最終日にはすっかり筋肉痛になってしまっていた。

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セイコーマートを初めてみた。これが噂のセイコーマートなのだと思った。入ってみると通路に段ボールが山積みになっていた。これがセイコーマートか!豪快だな!そう思った。間違ったセイコーマートの第一印象かもしれない。

せっかくだしお昼ご飯は道の駅で食べることにした。時間はすでに1時を過ぎていたからお腹はペコペコだった。たくさんメニューはあったけれどイクラ丼に惹かれた。やっぱり北海道といえばいくらという勝手なイメージがあるからだ。もちろんイクラ丼はとびっきりおいしかった。

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本当は次の日に流氷船に乗るつもりだったのだけれど、天気がだんだんと好転してチケット売り場のお兄さんも明日流氷が見れるかは運しだいだから今日乗っておいでと言われた。郷に入っては郷に従えとおもってそのまま船に乗ることにした。

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中には座席がたくさんあったけれど、流氷が遠くに見えるのが待ち遠しくてずっと甲板で冷たい風をあびながら流氷が来るのを待ちわびた。

となりにいた、同い年ぐらいの坊主頭のお兄さんと寒いね~と言いあいながら一緒に海を眺めていた。あの寒さの中帽子をかぶらずに外にいるなんてすごいと思った。

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遠くにうっすらと見えていた流氷はだんだんと近づいてきてそれに伴って、たくさんの人が中から外に出てきた。外で忍耐強く待っていた甲斐があって甲板の一番前から流氷が近づいてくるのを見ることができた。この場所を手放したくなかったけれど、みんなも見たいのは一緒だろうと思って。5分ぐらい流氷を見た後その場所を譲った。

あたり一面の流氷は本当に自分が日本にいるのかわからなくなるくらい壮大な景色だった。思わず、わーすごい!という心の声が外に漏れだしてしまう。坊主頭のお兄さんもすごいねと言って笑っていた。

誰もかれもが写真にこの風景を収めようとしていたけれどこの感動と、景色はどうやっても写真じゃ伝えられないなと思った。それくらい素敵な景色だった。

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流氷を見終わると、一気に外の気温が下がった気がした。冷えた体を近くの蕎麦屋で温めた。誰もいないバスにのって誰もいない真っ暗な道を歩いて、民宿へ向かった。

街灯もない坂道をのぼって30分一人で黙々と歩く。今日会ったことを振り返りながら歩くその時間はあっという間だった。

宿につくとおじいさんとおばあさんが出迎えてくれた。今日はどうやら自分ひとりらしい。人懐っこいおばあさんが、今日はどこに行ったのか、どこから来たのかなどひとしきり畳みかけてくる。

寡黙なおじいさんはうんうんと頷きながら話を聞いていた。家のようなリビングと優しいおじいちゃんおばあちゃんがいるどこか懐かしい空間で明日の予定を話したり準備をして、ぐっすり眠った。

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