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コロナ禍で学んだサービスデザイン

もう先々週のことになりますが、Xデザイン学校大阪分校の2020年度講座が終了しました。今年は半年くらいの期間で全11回、グループ作業もオンライン中心にならざるを得ませんでしたが、画面共有しながらの共同作業も割と良いものでした。修了証がPDFなのはちょっと味気ないですがね。

さて、私達のグループのアウトプットは落第点でしたが(!)、何ができていなかったかを裏返しておくことで、今年の学びにしておこうと思います。

サービスデザイン=仕組みで解決する

何を学びに行ってたのかというとこれに尽きます。

UXとサービスデザインの大きな違いは、ビジネスのエコシステムで課題を解決しようとするところである。ユーザーからインサイトは得られるが、ビジネス価値(収益性)には直結しない。ビジネス価値とユーザ価値をつなぐ仕組みを考えるのがサービスデザインである。

とまとめると、言うは易しなんですが、なかなかに難しい。今回はユーザーの声を聞きすぎて、インサイトも見つけられていなかったので、取り付く島もなかったです。でもその内、「ああ、これがあれか」と気づけるようになると思うので、サービスデザインが何たるものか、念仏のように唱えておきます。

PDUモデル

これからのビジネスモデルを考えるときに頭に入れておいた方がいいと教わった考え方。自社はプラットフォーマーを目指しているのか、デベロッパーを目指しているのかによってとるべき戦略が変わってくる、ということを意識できます。
当初、プラットフォーマーになる想定で検討していましたが、行き詰まりから中途半端な軌道修正をして・・ビジョンも見失ってしまいました。プラットフォーマーとUXは関係が遠いので、グループワークではそこも混乱ポイントになりました・・。出発点が変わるようなものなので、インタビューすべき相手が変わってくるはずですが、あえなく時間切れに。

PDUモデルについては、少し古い記事ですが、わかりやすく解説されているので振り返り用に貼っておきます。

日本企業がプラットフォーマーになる可能性なんてほとんどないのではと思われますが、こんな本もあったので参考図書にしていました。

民主化が進んでいない領域はどこか

イノベーションを起こしやすいのは、まだ民主化が進んでいない領域。提供側とユーザー側で情報の非対称性が大きい業界は、まだまだ新しいサービスが出てくる可能性が高い、ということ。ここでいうイノベーションは、デジタルトランスフォーメーションが前提になるはずで、機会を見つける目のつけどころとして、また、新しいサービスが出てきたときに何が価値なのかを考えるポイントとして覚えておきたいです。
私たちのグループでもこの点は意識して、空きスペースを低コストで簡単に作り変えられるサービスを考えようとしましたが、前述のとおり、ビジネス戦略とユーザー像が合っていないし、ユーザーのインサイトを見つけられていなかったのでうまくデザインできませんでした。さらに付け加えると、なぜその企業がしなければいけないビジネスなのか、単なるプロダクト提供に終始していたこともダメポイントだったと思います。

ユーザは最優先事項にお金を払う

ユーザーのインサイトを見つける、というのは、日頃から概念化するトレーニングがものを言う、とは昨年の学び。いろんな事象から本質を見つける(洞察する)こと=共通する価値観やニーズを発見することですが、今年は「Withコロナ」で大きく行動様式が変わったので、多くの人にこれまでにない特異な事象が同時に起こり、そこを共通のニーズと捉えてしまいました。コロナ禍は誰にとっても強烈な体験で、その文脈でインタビューしてしまったから、近視眼的な話しかでてこなかったということ。「Withコロナ時代の生活サービスを考える」というお題ではありましたが、「Withコロナで浮き彫りになった普遍的なニーズ」とは何かを考えるべきだったのだなあと今となっては理解できます。
サービスデザインではビジネスの収益性も担保しなければなりません。ユーザは何にお金を払うのか、Nice to haveではお金は払わない、ちょっとしたペインを解決しても儲からない。ユーザの最優先事項は何か、もっと喜ばせる(Delight)にはどうしたらいいか、UXを考えるときにはペルソナのやりたいこと、ゴールを強く意識しないとインサイトに辿り着けないと改めて理解しました。

社会人の学び

というわけで、今年もお世話になったXデザイン学校ですが、大人のゼミ活動のような学びの場で結構気に入っています。UXを学びに来たら、やたらビジネスのことばかり学ぶという、良い意味での裏切りがあります(笑)
オンラインになって、来年も大阪分校が続くのか未定とのことですが、2月に2021年度のコース説明会がありますのでご興味のある方はご参加してみてください。頼まれてないけど勝手に宣伝しておきます。


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