学校のトイレを使って思い出したこと

どの学年のものでもない、トイレにはニーズがある。
という話です。

多くの中学校には、中1のトイレ、中2のトイレ、中3のトイレというように、その学年の生徒が❝専用に使う❞トイレがあります。
(#自分の学年のフロアのトイレを使いましょう!と、言われるトイレ!)

そして、学校にはそういったトイレとは別に、学年関係なく生徒の誰が使ってもいいトイレがあったりします。
(#使用頻度が低く、校舎の1階や、特別教室がある棟にあるトイレです)
私はそういうトイレの重要性を知っています。

そこは、生徒が❝大❞をするときに駆け込める安全なトイレなのです。
学校には、頻繁に同級生が出入りするフロアのトイレでは、❝大❞ができない生徒が一定数います。
そういう場合、利用者の少ない離れのトイレには大きな価値があるのです。

ちなみに、これが関係するエピソードがあります。
ある中学校で生徒から、
「クラスに怖い生徒(ガキ大将)がいるから、教室に行きたくない」という訴えがあがりました。
詳しい事情を聞くと、今、何か嫌なことをされたわけではないが、小学生の頃そのガキ大将に悪さをされた経験があり、それを思い出して怖い。という状況だとわかりました。

この訴えにどう対処するか、学年職員からは二つの意見が出されました。
【ガキ大将を怖いと訴える生徒を守る】と、
【ガキ大将を守る】
です。
その学年では議論の末、不安を訴えた生徒を励まし、何かあったらすぐに相談してもらう環境を整えて当面は様子をみることに決めました。

魚を100匹与えるか、1匹の釣り方を教えるか

私は、何でもかんでも問題を解消してあげることが、教育ではないと思っています。それよりも、問題を対処する能力を身に付けさせることが、真に必要な教育と考えています。

これは、私の学生時代の経験をベースにしています。
私の在籍していた中学校は当時、荒れに荒れていました。
(#00年代の前半です)
学校のトイレでは、とがった生徒がたむろして喫煙をしていることもあったぐらいです。
私は用を足す際、そんな危険な場所には入れませんでした。
(#トイレ❝本来の目的❞が果たせない学校)

では、どうしていたのかと言うと、私は尿意をもよおすたびに校舎の1階の、❝人の出入りが少ないトイレ❞に行っていました。
私はそれを面倒とは思っていませんでした。むしろ、安全でお得である!くらいの感覚だったと思います。
(#学年フロアのトイレを使って、とがった同級生たちに絡まれる方がはるかに危険で面倒なことでした)
私は13歳のとき、自分の身は自分で守る有用性を学びました。

世の中を上手に生きるには、
自分の力でなんともできない事に文句を言い続けるより、
自分の力でなんとかできることをする。
これは、中学校卒業後も私が大切にしていることです。

by カボス田きよみ🍊

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