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フーテンの父

私の父は、私が子どものころ、
まさにフーテンの寅ならぬ、フーテンの父、でした。

子どものころの事なので記憶が曖昧ですし、
大人の事情はわかっていなかったですが、
父親に関してなんとなく覚えていることがあります。

それは、なぜか突然家を出て行ってしまい、
数ヶ月後になんてことない顔で帰ってくる父親の姿。

今思うと寅さんみたいだなと。

私の誕生日に帰ってこなかった時、
すごく寂しさを感じたことを覚えています。

でもその後、可愛いうさぎのぬいぐるみや、
なぜかカカオ濃度の高い子どもの口に合わない苦いチョコレート、
力強い言葉が半紙に書かれた手紙を貰った記憶があります。

そのチョコレートはパチンコの景品だと聞いて
子どもながらにがっかりしたことも、
なんとなく覚えています。

面と向かっては言いにくいですが、
やっぱり父親には、
もっと安心できる家庭にしてほしかったよ、
と言いたいですね。

ふらふらと生きるのは楽しいことですが、
周りを不安にさせるのは良くないですからね。

とか、そんなことを言いながら、
私も父親の遺伝子をしっかり受け継いでしまって、
仕事や生活がまだふらふらして安定してないのですが。

父親からは、
人生一度きりだからもっと楽しんで生きていい、
ということは学べたと思います。

いつか、っていっても、
もう時間がなかったりするかもしれませんが、
いつか、焼肉でもご馳走してもらいたいです。


娘より

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