見出し画像

【ソシガヤ格闘記・第13朝】行為を通してワクワク感を引き出す(事例調査①)

こんにちは。初めまして。
慶應義塾大学メディアデザイン研究科修士2年、
休学中の吉田凌太(よしだりょうた)です。

前回まで独り言とやら、雑談が多かったので、
今回は事例調査も兼ねて、しっかり情報を取得できたらと思ってます。

現在自分は世田谷区の経済産業部 産業連携交流推進課が主催する、
世田谷区地域経済の持続可能な発展を目指す会議に区民委員として参画させていただいております。当会議では、地域経済の持続可能な発展に係る指針に関すること及び地域経済の持続可能な発展に関する事項について、調査審議を行ってます。その会議で同席している株式会社cocoroé 代表取締役・多摩美術大学講師の田中 美帆先生に大変お世話になっています。

田中先生が2018年度に取り組まれていた『みんなで、たまには自転車交通安全の 未来を語り合ってもいいんじゃないか会議』 (通称:みんてん会議)は一つの成功事例だと考えてます。

ソーシャルデザインという一種の手法を活用し、さまざまなステークホルダーが手を取って連携関係を構築し、段階的に社会課題解決を図ります。まずは思いのある人から始まり、発散と収束を繰り返し、思いをどんどん発露させていきます。今回の事例では、警察庁交通部の方の熱い思いから派生し、始まったとのことでした。一般に受け入れづらい「交通安全」を広く解釈し、いくつかの文脈で、ワークショップやインフォグラフィックや遊び心を活用しながら、啓発を進めます。

ソーシャルデザイン事例として出てきた事例として興味深いのがあったので共有します。まずは東京スマートドライバーが事故現象を目的に行なった啓発キャンペーン。従来の交通規制や取り締まりではなく、逆に他者に配慮するドライバーを「スマートドライバー」として定義し、その存在を顕在化することで、主体性を支援する活動です。飴と鞭の鞭の方に視点が置かれがちなところを、飴に視点をずらし、スマートドライバー達をホメたり、ホメコト バの印刷された飴玉「ホメダマ」を配布して「ホメドライブ」の 認知拡大も同時に行っているみたいです。

視覚的にも見えやすく、ネガティブ方向の是正ではなく、ポジティブ方向の助長を支援すると言った方向性は勉強になるなと思いました。「間違えること」や違和感を通して、その人の個性を知ってもらうと言う観点では、「注文のまちがえる料理店」も近いのかもしれないです。

もちろんこれを行うには、コミュニケーションは絶えず必要ですし、コミュニケーション不足で、違った認識を抱かせてしまうかもしれない。だけど、まずは振り向いてもらえる一歩を作り、そこから興味を持ってもらうには、追体験することが要素になるのかもしれません。

あとはなりきる、と言うのも一つ重要な手法なのかもしれないです。
DENIM RUN by Tweed runは一つ面白い事例。ドレスコードは、もちろん“デニムかツィード”。ジャケットでパンツで、または小物で取り入れて、オリジナルのファッションで参加できる2009年にロンドンで生まれたイベントです。デニム&ツィードファッションに身を包んだ、サイクリストが都内を走り抜けます。参加者は街並みを楽しみながら、要所要所では観光スポットに立ち寄り、土地の歴史や文化を学びゴールを目指します。身体を装う格好を揃え、参加者同士の連帯感を揃えることで、これまでとは違った感覚で移動をできるのかもしれないです。

移動というとアクセシビリティや動きやすさに焦点が当てられがちですが、まずは動いてみようという思いやワクワク感がないと、移動する気すら起きないのが当たり前なのではないでしょうか。もちろんモチベーションの起因の一つにアクセシビリティの問題があるのは言わずもがなです。

ただ少しでも面白い手法で、参加者同士が連帯感を持ち、その参加者の一部になりたいと思えるような仕掛けを作っていくかが大切なのかなと感じました。

明日はよりアクセシビリティに寄った視点で事例を簡単に調査してみようと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?