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明け方の猫

 明け方の夢に、黒猫が現れて、もうすぐ帰ってくるよと言った。元気だった頃、猫は、2階の寝室で私と一緒に眠った。明け方になると、猫のために少し開けておいた窓から屋根に出て、そこらあたりを散歩して、また窓から帰ってきた。
 そうか、もうすぐ帰ってくるんだね。詩集になって。
 5月の朗読会で、詩集『水栽培の猫』から3篇、読ませて頂くことにした。巻頭詩の『水栽培の猫』、終わりから2番目の『口笛』、巻末の『鈴』。正直、今まで、朗読は苦手だった。けれども、今は、読みたい。詩集の中に、猫は生きている。そのことを確かめたい。

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