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物を持つ時、親指や手首の痛みや違和感!〜それは、ドケルバン病かも〜

最近、手首の痛みで来院される方が増えています。スマホやPCばかりやっているので、使っているのは脳と手先だけと考えれば当たり前の結果かもしれませんね。ではその痛みとは?

①とにかく手を使うと痛む

②ドアノブを回せない

③マグカップが持てない

④手が机や床に着けない

⑤シャツのボタンを閉められない

⑥指先がしびれる

などなど日常生活に支障を来すものばかりです。なぜ手の障害が増えているのでしょうか?単なる使いすぎだからでしょうか?もちろん使い過ぎも一因ではありますが、手や指の使い方が原因のことが多いのです。

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親指や手首の痛みの原因とは?

一例として、ボールペンなどの筆記用具を上の写真のような持ち方(親指の先端を使わずに付け根で持つ)をしている人を多くみかけます。このような使い方をしていると、親指の関節に偏った力が加わり、筋の癒着が進行し、指に力が入らないとか、曲げられないと言った障害の原因になります。そして指の根っこの手根骨という骨と手首の関節とのアライメント(噛み合わせみたいなもの)が崩れます。結果指の痛みというより手首の関節の障害になりやすいのです。この代表的な障害は、ドケルバン病や手根管症候群です。手首の腱鞘炎なども含まれます。

*ドケルバン病とは

このドケルバン病は親指を伸ばす筋である、短母指伸筋腱と長母指外転筋が手首の背側にあるトンネル(腱鞘)で起こる腱鞘炎です。このトンネルの中を通過する腱に炎症が起こった状態で、腱の動きがスムーズでなくなり、手首の母指側から手首かけてが痛み、腫れる場合もあります。母指や手首を広げたり、動かしたりするとこの場所に強い疼痛が走ります。原因としては、主にこれら二つの腱を使いすぎたことにより生じます。子供を抱っこする機会が増える出産後の女性や更年期の女性にも多く見受けられます。

また、最近ではパソコンのキーボード操作やマウス操作、そしてスマホを使う方にも多く発症する傾向のようです。病態としては、母指の使いすぎによる負荷のため、腱鞘が肥厚したり、腱の表面が傷んだりして、さらにそれが刺激し、悪循環が生じると考えられています。結果、手から腕への関節のアライメントを崩し関節機能障害や筋膜の癒着を招いていると考えられます。

ドケルバン病を見分ける方法

病態としては、母指の使いすぎによる負荷のため、腱鞘が肥厚したり、腱の表面が傷んだりして、さらにそれが刺激し、悪循環が生じると考えられています。ドケルバン病か見分けるには、上記の部位に腫脹や圧痛があり、母指を他の指で包み込み、そのまま小指側に曲げると痛みが増強することで診断されます。(下写真:フィンケルシュタインテスト)痛みは親指付け根から手首に出現します。病態が進んでいると強い痛みがでることもあります。

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ドケルバン病を治すには

実は、この使い方ですが、他の日常生活においても同じ使い方をしていることが多いのです。これは数年前からですが、外食した時などに、他の人の箸の使い方に注目するとこの握り方(まさしく箸を「握っている」感じなのです)をしている人が意外に多いことに驚かされます。

この持ち方をしている人は、PCマウスも同じ使い方をしている可能性が高いのです。マウスの使いすぎにより親指を曲げられない痛み症状で来院される方も少なくありません。これらの方はマウス以外でも、ボールペン・ゴルフのグリップ・洗濯ばさみを使う時も同じ使い方でした。では、なぜこのような持ち方をしていると障害の原因になるのでしょうか?

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それは、先述した親指への偏った力だけではなく、上記画像「親指の先を使って持った時」と「付け根で持った時」で手首から肘、腕、そして肩への力のかかり方がまったく違うのです。言い換えれば「付け根で持った時」の持ち方は、「肩に力が入った状態」なのです。逆に「親指の先を使って持った時」の持ち方は、脱力した状態なのです。皆さんも一度試しに比べてみてください!

この持ち方は、ドケルバン病の原因になっています。根本から治していくには、手首の関節のアライメント・筋バランスを整え、手首をニュートラルに使う使い方の再教育(トレーニング)が必要になります。特に握力を正しい関節アライメントで強化するのがポイントになります。

このような親指や手首のなかなか治らない障害でお悩みの方は、お気軽にKIZUカイロプラクティックへご相談くださいませ。

文責:木津直昭

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