東京医科歯科大学はりんごの香り
「こちら東京医科歯科大学付属病院でございます。ニシカワトシオさまの件でお電話差し上げました。至急折返し・・・」
留守電。番号ケータイ。
折返そうかと思ったが奥さんに止められた。
「ありえない」と。
もう一度。違うケータイ番号から。
昨夜また違うケータイ番号。
そしてついさっき、まさに東京医科歯科大学代表電話から。
「東京医科歯科大学病院 振り込め詐欺」検索したら、出るわでるわ。
それでどう考えたかというと
「ラッキー」
つまり、ぼくは「振り込め詐欺に合う可能性ある老人」と認められたのである。そこいらの老人とは違うのである。エラいのである。
昨夜SASUKE観て、次狙うべきは「ご長寿早押しクイズ」ではなくSASUKEやな、と活力湧いてたのだが、さらに目標高くなった。
「SASUKEに出場、かつ、東京医科歯科大学振り込め詐欺に大金投じる」
という目標である。
どの側面から測定してもおかしな話であり、長引く風邪でアタマがやられたとしか思えないが、目標は人それぞれ、まあ良かろう。
話は変わる。
今日は12月28日。このあたりまで来ると、アタマの中では真っ黒だ。
29日、30日までどんどん漆黒増す。ところが31日大晦日になると、翌日に控える元旦の光のおかげで、やや明るくなる。
そして元旦は、真っ白。
1月白い
2月さらに白い
3月ピンク(桜色)
4月黄緑
5月緑
6月濃いブルー
7月白っぽいブルー
8月コバルトブルー
9月黄色
10月紺色
11月紅葉色
12月だんだん黒くなる
こんなイメージを小さい頃から持っていて、大学の心理学講義で話したら教授がやけに感激、
「キミ、それはナンバーフォームだよ!」
と叫んだ。
そして「さかもとくん、実験台になってくれ」
「実験台」(笑)
もっとほかの言い方があると思うのだが、興奮のあまり、そうなっちゃったんだろう。
それからぼくは毎週どこかで教授の研究室へ行き、あれこれ「実験」された。
といっても、注射打たれるとか血液検査とかレントゲンとかではなく、ただの問診だったのだけど。ひょっとすると「振り込め詐欺の被害にあいたい」と思う狂気を、教授は感じ取っていたのかもしれない。
ナンバーフォームというのは共感覚の一種で、数字が色と結びついたり、単語がにおいや味につながったりする。空間イメージと色と数字が混ざる。
「東京医科歯科大学(とうきょういかしかだいがく)」という単語がぼくにはりんごのにおいとつながっている。
と思ったら、りんごが送られてきた。
ウソ? ほんとです。
送り主は沖縄在住の人で、でも青森からのりんごが届いた。
すごくいい香りで、幸せ。りんごの香りって、すべてを飛ばしてくれるね。
脳の配線は、におい、味、空間イメージ、単語、などそれぞれ独立している。大阪大学人間科学部で学んだ。赤ちゃんの頃は未分化だけれど、成長と共に分離・独立していく。ということは、ぼくは赤ん坊と同じ脳ということになる。
こう書いている最中にも電話。
メッセージの部屋に行くと、こんなのもきてる。
こういう「ちっせー」詐欺にはひっかからない。
未分化した脳がSASUKEに出場し思わず振り込みたくなる詐欺を、期待しております。
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