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「のため」って、ウソ

「あなたのためを思って言うのよ」

というとき、実は「自分のため」に言ってる。

「のため」にある商品や行動って、ウソの気がする。

順にお話しましょう。

『エコノミスト』主催
OpenAI サム・アルトマンとマイクロソフトCEOサティア・ナディアのトークセッション。日本時間昨夜。

進行は『エコノミスト』編集長ザニィ・ミントン・べドゥズ。

観る目的は一つ。「アルトマンが幸せそうか」観察した。

幸せそうじゃなかった。

Thursday January 18th 2024
左から
編集長 アルトマン ナディア

アルトマン、AI開発が楽しくて、のめり込んで没頭していた時期・・・始めの時期・・・は嬉しかった。ワクワクした。喜びあった。愛もあった。楽しかった。

ChatGPT大ヒット。人類史上類を見ない速度でダウンロードされた。

投資家が寄ってくる。メディアが寄ってくる。知らない人が寄ってくる。

自分の手のひら、指の先、キィボードから離れていってしまった。

だんだん、AI開発が「のため」になっていった。

投資家のため
社員のため
自分の評判を落とさないため
・・・のため
のため
のため

薬も、「のため」の製品だ。
風邪のため。
あなたの風邪はどこから?
「ぼくはしっぽから」
「わたしはあたまの皿から」

では、あなたには「しっぽブロック」
あなたには「皿ブロック、キュウリ付き」

でも、内服薬というのは、しっぽならしっぽ「だけ」に届くのではない。ハリネズミ状に、全身を巡る。血液が運ぶ。

特定症状「のため」のはずが、ひょっとすると思わぬ副作用を生むかもしれない。

とはいえ、薬はお医者さんや薬剤師さんの言うことにしたがって服用すれば、効果期待できるから、問題ない。

気になるのが、アメリカン経営な思想、発想。

マイクロソフト製品は「仕事生産性向上のためにあります」

上のトークセッション、CEOナディア言ってた。

アメリカン経営の思想で言われる「のため」ってのは、ウソなんだよ。

マイクロソフト製品は資料作成中に「アップデートしますか?」聞いてくる。どこが生産性向上なんだ。「マイクロソフトのため」じゃん。

今朝「Microsoft 365 Personal のサブスクリプションに関する重要なお知らせ」メールきた。簡単にいうと、値上げ。12,984円だったのが14,900円に。1,916円も。提供価値は上がってない。
「マイクロソフトのため」に値上げする。一人1,916円でもサブスク利用者人数掛けたらかなりの金額になる。ぷんぷん!

JOY+WOW+LOVE and FUN、喜び、感動、愛、楽しさ
すべて、「のため」は、ない。

のための喜び
のための感動
のための愛
のための楽しさ

成立しないよね? 

愛する人を愛するのは、何のためでもない。自分の中から生まれる。

デジタルとネットが大きな顔し始めたこの20年は、「のため」が増えた20年だった。

たとえば;

転職のため

転職が目的になってる。入社早々、転職サイトに登録する新入社員。
そんなひまあったら勉強しようよ。
「のため」はいいこと一つもないよ。

レゴランドの炎上。

ニューヨークで生活してたし、ニューヨーク大学ビジネススクールで一度教えたことがある。シリコンバレーでインタビューした。
翻訳8冊。
毎日英語の雑誌、新聞読む。

だからアメリカン経営発想、慣れてる。

要するに、彼らの発想は、「のため」なんだ。

「金儲けのため」「自分のキャリアアップのため」「ブランドを守るため」「株主のため」

ところが不思議なことに、「お客さんのため」は、ない。言葉としてはあるのだが、それはあくまで「for customer」といった語彙やスローガンの中にあるだけで、自分の中には、ない。

突き詰めると、
「私」のため。私心。

朝日が昇る前の欠けた月

そのまま、美しい。

のため

ではない。

「のため」、ぼく自身にも、あるはずだ。

これから点検し、一つひとつ、捨てていきます。

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