どうしようもないやつ

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父の死

2020年2月、私と母と弟は家を出た。 平穏な日々を求めて、逃げるように家を出た。 その2年後に父は吐血し、死んだ。 数え切れないほどの発泡酒の空き瓶と、クレジットカードの請求と、クラブのお姉ちゃんの名刺に囲まれながら、1人で死んだ。 思えば昔から父は「弱い人」だった。 大手企業に勤めるも、役職が上がるにつれ悪夢を見てよくうなされていたし 末期癌で弱っていく実の父親(私の祖父)の姿を見れず、お見舞いを私に押し付けていた。 人に嫌われるとを恐れ、断れず調子の良いことを言いよ

    • 緑の着物が着たかった

      小さい頃から、成人式では緑の振袖が着たいと思っていたし、当然、着られるものだと思って疑わなかった。 しかし、実際私が20歳になり成人を迎えた時は、クソバカゴミクズ父親の借金発覚からの返済+どうしようもないアホ父親のアル中による退職(ほぼクビ)によって、我が家の家計は火の車状態にあった。 「成人式なんて全然興味ないし、バイト入れちゃうもんねー!」もうあんまり覚えてないが、確か私は母にそう言った気がする。 その時、節目行事を欠かさない母が珍しく何も言わなかった。もったいない!

      • いつも遅刻するオバさん

        バイト先である某チェーン店にいつも遅刻するオバさんがいる。 私のバイト先は他の店舗よりも主婦パートさんが多く在籍している。噂好きで、よくシフトの件や勤務中のおしゃべりの頻度、仕事のやり方でモメている。また、おしゃべりマシーン(のようなオバ)さんも在籍しており、彼女のおかげで家族構成や、そんなこと話していいのか?という複雑な家庭事情までが店舗全員に共有されている、ちょっとカオスでお茶目な店舗である。 遅刻オバさんの出勤は遅い。オバさんは、基本平日のクローズ、いわゆる深夜の締

        • 地獄の14日間

          「女の子の日」 「デトックスデイ」 生理の重さやPMS症状は人によって大きく差があることは百も承知だが、口が裂けても私は生理をそんな可愛い名称で呼ぶことができない。 私は生理を「地獄の14日間」と呼んでいる。 異変は14日前、つまり生理の1週間前から私の体に起こり出す。とにかく喉が乾いて乾いてしかたなく、お腹が張ってくる。張って張って痛すぎるのに、異常な食欲に襲われる。 普段私は少食の部類に分けられる女である。(マウントではない)(昔胃に穴が空いてそこから食べられなくな